報道によると、JR関係者への取材で、踏切近くにある構内進入用の門扉が数年前から施錠されておらず、誰でも出入りできる状態だったことがわかった。門扉には、電子式の鍵がつけられていたが、無施錠のままだったという。
今回事故を起こしたトラックも、この門扉から入り、商品を納入した帰りに踏切を渡ろうとして特急と衝突した。JR西日本は「電子式の鍵は壊れており、改良修理中だった」としているそうだ。
インターホンで社員に所属と用件を伝えると、遠隔操作で鍵が解錠され門扉が開けられる仕組みだったが、数年前から鍵は使われなくなったという。
JR西によると、現場の踏切は、駅構内の車両基地などに出入りする社員や業者専用で線路と並行する国道2号から入ることができる。門扉は、国道と踏切との間にある鋼鉄製でスライド式になっている。2003年に軽乗用車が誤って踏切内に入り、電車と衝突する事故が起きたのを機に設置された。
関係者によると、関係者以外の立ち入り禁止や左右確認などを注意喚起する看板があったが、遮断機や障害物検知装置はなかった。JR西によれば、この踏切は関係者専用で、法律的には「踏切」ではないという。
しかし、特急などが数多く通る本線で、しかもすぐそばを国道が並行して入っているため、誤って一般の車両が入ってきかねない踏切に、なぜ、遮断機が設置されていなかったのだろうか?
社員や関係者専用の踏切と言っても、特急などには一般の乗客が多数乗車している。万が一、列車がトラックと衝突した衝撃で列車が脱線などすれば、多くの乗客に被害が及ぶと思う。
JR西には、今回の事故を機に、社員専用通路として使われているすべての「踏切」を点検してほしい。そして、「踏切」が、列車運転本数が多く特急など早い列車が通る「踏切」である場合には、警報機や遮断機を設置するなどの安全対策を至急講じてほしい。
《参考》
運輸安全委員会は事故調査の進捗状況をホームページに公表し、現場の写真などを掲載した
「西日本旅客鉄道㈱山陽線鉄道人身事故の進捗状況」2012年2月22日
http://www.mlit.go.jp/jtsb/flash/jrwsanyo_120217-120222.pdf
《参考記事》
「踏切の門扉施錠せず 誤侵入の危険性 明石・特急衝突」2012/02/20 16:50 【神戸新聞】
http://www.47news.jp/news/2012/02/post_20120220165436.html
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