5月6日、日本原電から福井県に入った連絡によると、敦賀原発2号機(加圧型軽水炉、出力116万キロワット)は、核燃料から放射性物質が漏れている疑いが強いため、7日原子炉を停止して、1次冷却水の放射能濃度を低くして、漏れた燃料の特定を行う調査をすることになった。
この調査と並行して、非常時に原子炉を冷やす緊急炉心装置など停止中にしかできない安全上重要な機器の点検も行うとしている。
報道によると、2日、1次冷却水に含まれる放射性希ガスが1立方センチ当たり3900ベクレルで、4月26日の測定時から750倍に上昇、ヨウ素133も前回の2倍に上がったという。
このため、原電は、炉心にある燃料棒の被覆管に微小な穴が開くなど、損傷した可能性があるとして、3日以降測定回数を増やし監視を強化するとしていた。
この結果、燃料から放射性物質が漏れた疑いが強いと判断、7日、原子炉を停止して、1次冷却水の放射能を1か月程かけて低減させ、その後、燃料を使用済み燃料貯蔵プールに移して、放射性物質が漏れた燃料を特定するという。
西川一誠福井県知事は、4月20日海江田経済産業相に対して、既存の原発の安全対策について、暫定的な基準を作るよう要請しており、基準を満たさなければ定期点検中の原発を起動するのは困難だと伝えている。
また、同知事は、全国の原子力発電所立地地域を代表する形で、すぐに実行すべきことを国に要請したとしており、国は原子力発電所の安全を確保するための対策を緊急に検討指示すべきだとしている。
《参考記事》
「燃料漏れ疑い敦賀原発2号停止へ 県内5基停止で供給影響も」(2011年5月6日午後6時46分、福井新聞)
http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/society/27947.html
「福井知事が経産相に要請書 再起動に暫定基準を」 2011/04/20(電気新聞)
http://www.shimbun.denki.or.jp/news/energy/20110420_01.html
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