2009年7月15日水曜日

踏切事故の現場をたずねて~千葉の踏切


7月7日(火)、千葉市越智町の踏切で、下校途中の小学1年生が快速電車に撥ねられて亡くなったことは、先週、ブログに書かせていただいた。警報機も遮断機もある踏切で、踏切は幅約2m、長さ約10m、警報機が鳴り、遮断機が下りているところを、遮断機をくぐって入った小学生が列車にはねられ、死亡した。

 小学生がなぜ列車が来るのに、渡ってしまったのか気になっていた。小学生が事故に遭った列車と同じ逗子発上総一宮行き快速に乗って、土気で下車した。踏切は誉田と土気の間にある。横浜から横須賀線快速で1時間半ほどのところである。

 小学校が午後3時すぎに下校時間となり、小学校から約1㎞の踏切まで、1年生では歩くと30分近くかかると思う。1年生は4月に入学して夏休み前ともなると、通学路にも慣れてきたころだと思う。踏切が危険だと言われていても、列車が見えなければ、遮断機が上がるのを待ち切れずに、渡ってしまったのかもしれない。

 小学生が、来た方から踏切入口の停止線に立つと、列車の来た方向には、夏なので雑草が高く伸びている。
大人の私なら、列車が来たのが見えるが、背の低い小学生だと見えないかもしれない。列車の来たのが写っている写真は、大人の目の高さで撮影したもの。列車が写っていないのは、こどもの目の高さくらいから撮影したもので、1年生には、列車が見えないかもしれないと思った。

 また、ここは線路はまっすぐで、踏切の中に立つと見通しがよい。見て確認しなかったが、ロングレールなのだろうか。列車の近づく音が静かで早い、もし、警報音が鳴っていなかったら、列車が来るのがわからなかったかもしれない。列車が見えたと思うと、すぐ近くまで来ていて、あっという間に踏切の前を通り過ぎていく。

 その上に、今日は、晴れて暑い日だったから、夕方は列車の来る方向は西日で逆光になり、まぶしくて列車が見えにくい。私が現場に行ったのは、小学生が事故に遭った時刻よりも30分ほど遅い時刻だったが、まだまだ太陽がギラギラしていた。7日も千葉は暑い日で、晴れていたようだから、今日のように西日でまぶしかったかもしれない。

 この踏切から、300mほど東に行くと、線路の上を大網街道が横切り、歩道橋も線路の上に架けられている。こちらを渡る方が、安全だろうが、小学生のお子さんには遠まわりな気がする。
 
 この踏切を渡って通う小学生や中学生がどのくらいの人数なのかわからないが、小中学校の学区域も交通量の多い大網街道や踏切をなるべく渡らないですむように、区切ることができないのだろうかと思う。
 学区域を変更できないのであれば、車の交通量の多い横断歩道や踏切などに安全指導員や警備員などが立って、児童の安全を確保することを考えてもよいのではないだろうか。

2009年7月13日月曜日

2009安全工学シンポジウムの報告

 7月9,10日、都内で安全工学シンポジウム2009が開かれた。今年で39回目となるこのシンポジウムは、さまざまな分野の学者・研究者、技術者が集まって、事故を防ぎ、安全な仕組みを作るには、どうしたらよいか討論する場である。ことしも40近い学会・研究会が参加して開かれた。

 私などは、昨年初めて、参加させていただいた。正直言うと聞いたことのない、学会名だけではどんな研究をしているのか、想像がつかない学会もあった。
 学問の分化が進み、研究者は自分の研究に専念すると、他にどんな研究が進んでいるのかわからなくなることもあるだろうと思う。
 このシンポジウムに参加する学者・研究者のみなさんは、自分の研究が他の研究とどんなつながりがあるのか、社会の中でどんな意味があるのか、様々な分野の研究者が、意見や情報を交換し合うことが大切だと思って、毎年シンポジウムを開いていらっしゃる。

 私たちのセッションでは、それぞれの専門家が、各自の分野で今何が問題なのか、課題と提言をまとめて下さった。各分野の今もっとも核心とされるテーマだけに、分野が異なるとわかりにくいこともあると思うが、各専門家のみなさんの熱意が伝わってくるセッションだったと思う。

 さまざまな分野・事業に携わる研究者・技術者のみなさんが、事故調査をし、事故を防ぐための対策を検討し、提案・実現していくこと、そういう地道な仕事の積み重ねが、悲惨な事故をなくしていくのだろうと思う。

《シンポジウムのプログラムから》
安全工学シンポジウム2009 
OS-B テーマ「事故防止のあり方を考える~事故調査の充実をもとめて~」

№ 講演テーマ
1 事故防止のあり方を考える~事故調査の充実をもとめて~
     加山宏 竹ノ塚踏切事故遺族
2 事故調査記録の訴訟手続における開示の在り方-イギリスの法制度との比較-
     米倉勉 弁護士
3 再発防止を考える      本江彰 日本ヒューマンファクター研究所
4 製品安全と事故防止      高杉和徳    製品安全コンサルタント
5 死因究明制度と事故防止 一杉正仁 獨協医科大学法医学教室准教授
6  踏切事故の実態と事故調査 加山圭子 竹ノ塚踏切事故遺族


 

2009年7月12日日曜日

神戸地検、JR西日本社長を在宅起訴

 7月8日、乗客106人が犠牲となった福知山線脱線事故で、神戸地検は、JR西日本の山崎正夫社長(66)1人を在宅起訴した。山崎社長は、同日、社長を辞任した。

 事故当時鉄道本部長だった山崎社長一人を起訴して、他の歴代社長などを起訴しないのは、トカゲのしっぽ切りではないかという印象をうける。安全対策は会社全体で取り組むものだろうから、誰かひとりを処罰すればすむことではないと思う。

 また、裁判でどれだけのことが明らかにされるだろうかと、心配でもある。神戸地検が捜査した資料をどれだけ駆使して公判を行うだろうか。
 
 裁判で、被害者や遺族が意見を述べたり、被告に質問できるようになったけれど、山崎氏は法廷で争うとしている。今まで、被害者・遺族とJR西の安全について対話を続けてきたとされる山崎氏が、起訴されたことで、遺族との対話が閉ざされることにならないかと危惧する。

 4.25ネットワークの皆さんは4月、JR西に、被害者・遺族や、企業、学識経験者がともに福知山線脱線事故を調査・検証する「事故検証委員会」を提案した。

 山崎氏一人の刑事責任を追及する刑事裁判ではなく、事故の再発防止を目的とした事故調査をすることが大切ではないかと思える。
 
《以下は参考記事》
遺族「解明へ捜査資料閲覧」
(2009年07月12日 読売新聞)
http://osaka.yomiuri.co.jp/tokusyu/dassen/jd90712a.htm?from=tokusyu

2009年7月10日金曜日

すべての踏切事故の調査を

 7月9日、都内の機械振興会館で、安全工学シンポジウムがあった。
このシンポジウムは、40近い学協会の共催で開かれる学者、研究者のシンポジウムだ。
毎年、テーマを決めて開かれるが、これだけの数の学会が、いっしょに討論するというのはすごいと思う。
 
 中には、失礼な言い方になるが、学者とは思えないくらい熱く語る方もいる。そんな方々が、行政の設置する審議会や委員会などにいれば、何年かかけて、事故の再発防止策をいろいろと検討してくださることもあるだろう。
 
 安全にかかわる仕事や研究をされる方、実際にいろいろな機関で事故調査にあたる方々に、専門家ではない私が、疑問に思ったことを話すのは、正直言って迷った。でも、誰も踏切事故のことをきちんと調べないのだから、話さねばならないと、腹をくくった。

 はじめ、事故の現場を訪れることに、ためらわれることもあった。ご遺族の中には、じっさいに、お子さんや妻が亡くなった現場の踏切に行けない方もいる。私自身が現場に立つのが、つらくなることもある。
 
 そんな気持ちを奮い立たせてくれるのは、亡くなった方がたの無念さが、現場に立つと伝わってくる気がするからだ。現場に行っても、ご冥福を祈ることができない。まだまだご遺族は、そんな気持ちになれない、まだお子さんや妻が亡くなったと思えないのではないか、だから、わたしも、「安らかに眠ってください」とは思えないのだ。

 踏切事故そのものが、国交省の統計では「踏切障害事故」とよばれる。踏切をわたる命ある通行者も、鉄道事業者にとっては、通過する列車の障害物でしかないような呼び方に、憤りを感じる。

 踏切をわたる通行者の不注意だけを責めないで、事故の原因をいろいろな角度から、調査して再発防止に役立ててほしい。それが、亡くなった方々へのせめてもの供養ではないかと思える。

《記事》
すべての事故、調査を 東武線踏切事故遺族が講演2009年7月9日 13時09分
 2005年に東武伊勢崎線竹ノ塚駅(東京都)の踏切事故で母親=当時(75)=を亡くした加山圭子さん(54)が9日、都内で開かれた「安全工学シンポジウム」で、鉄道事故防止に向けた取り組みについて講演し「関係機関や事業者がすべての事故を調査し、安全対策を検討することが必要」と訴えた。

 8日にJR西日本の山崎正夫社長が業務上過失致死傷罪で在宅起訴された尼崎JR脱線事故については「JR西の組織の問題が明らかになってほしい」と話した。

 踏切事故根絶を目指す加山さんは、06年に広島県東広島市で起きたJR山陽線踏切事故や、長野県内の踏切で07年(08年:筆者が訂正)の4カ月間にJR東日本の特急「スーパーあずさ」に3人が相次いではねられた事故現場を視察。いずれも現場近くに学校や住宅があったという。

 事業者や警察などは事故後、注意喚起の看板を置いたり、安全キャンペーンを展開したりするが「人間に厳しく注意を促すだけで事故はなくならないことは、ヒューマンエラーの研究から明らか」と述べた。

(共同)
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2009070901000541.html

2009年7月8日水曜日

小学生が、踏切で死亡

 踏切で、下校途中の小学生1年生が亡くなった。
小学生が、警報機のなっている踏切の遮断機をくぐって入り、列車にはねられた。
この記事では、小学生がなぜ入ったのかわからないが、なかなか開かないので待ち切れなかったのだろうか?
通学路に踏切があるのは、とても危険なことだと思う。歩道橋などを設置する等、検討されていなかったのだろうか?

 踏切は、道路の交差点のように、列車と通行者が交差する危険なところである。
人が通るところと列車が通るところとが交差しないようにすることが、事故をなくす基本的な対策だと思う。
 鉄道事業者や行政は、いつまでも、通行者の好意に甘えていないで、抜本的な対策をとるべきである。

《参考記事》
小1男児電車にはねられ死亡 千葉・JR外房線 2009年07月07日21時22分 / 毎日新聞
 http://news.livedoor.com/article/detail/4239254/