踏切は、北千住駅の南約670メートルのところにあり、長さ23メートル、計5本の線路が東西方向に横切っており、女性は南側から渡り始め、最後の5本目の線路付近で撥ねられたという。
この踏切は、2007年4月、国土交通省が「緊急対策が必要な『開かずの踏切』」として、公表した全国589カ所のうちの一つにあたっていた。
国交省の資料によると、東武鉄道は踏切内の歩道と車道をカラー舗装で分離するなどの対策をとっていた。しかし、立体化などの抜本的な対策はとっていなかったという。
東武伊勢崎線には、東京メトロ半蔵門線が乗り入れるようになり、便利になる一方、ダイヤが過密化しており、東武鉄道の踏切は開かずの踏切(1時間の遮断時間が40分以上)になっているところが多いと思う。
このような踏切では、遮断機があいたと思うと、数秒でまた警報機が鳴りだし、踏切道の途中にいるなら、慌てて踏切を横断しなくてはならなかったりする。
警察が付近の防犯カメラの映像を確認したところ、この女性は、無理に踏切を渡らずに戻ろうとしたらしい。しかし、女性が踏切の外に出る前に電車が来てしまったらしい。
お年寄りや障害のある方も余裕を持って渡れるように、警報時間の見直しをしてほしいと思う。
国交省の技術基準は、踏切を渡る人の歩行速度を時速5キロメートルとして、警報時間を設定している。これは、若い男性ならいざしらず、女性やお年寄りでは、早すぎると思う。
道路の横断歩道では、青信号の時間を、歩く人の速度秒速1メートルで設定しているところが多いと聞く。
鉄道事業者は、踏切を渡る人の実態を把握し、渡る人の歩行速度などを考慮して、警報時間を設定すべきだと思う。
《参考》
総務省近畿管区行政評価局は
「踏切道の安全確保にかんする行政評価・監視」(平成25年10月22日公表、12p)で、以下の ように指摘している
http://www.soumu.go.jp/main_content/000255651.pdf
「1 調査した鉄道事業者は、解釈基準の解説に記載されている、人が5km/hの速度で踏切道を通過するとした踏切遮断機の遮断装置の警報開始から遮断完了までの時間を標準としており、踏切道の長さ及び鉄道の跨線数に応じて時間を延長しているものの、踏切遮断機の遮断装置の警報開始から遮断完了までの時間は高齢者や障がい者に配慮したものとなっていない 」
《参考記事》
「<東武線>自転車押す高齢者、踏切ではねられ死亡 東京」
毎日新聞 2月6日(木)23時41分配信 【袴田貴行】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140206-00000126-mai-soci
「踏切事故 引返したが戻り切れず 東京・足立」NHK2014年2月7日
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140207/k10015102091000.html
0 件のコメント:
コメントを投稿