改正案は、第3種(警報機有り、遮断機無し)・第4種踏切(警報機、遮断機とも無し)の死亡事故について、事故調査の対象にするというもので、運輸安全委員会(以下、JTSBと略)の踏切事故の調査対象が拡大されることになる。
事故調査は、遺族にとって、大切な人がなぜ、突然この世を去らねばならなかったのか、その理由を知り、その死を受け入れる上で、必要なことだ。
事故調査が公正に中立な立場で徹底して行われ、事故の再発防止に役立てられることが何よりも亡くなった人の命を生かすこと、決して私たちのところに戻ることのない命に、生きていた意味を持たせていただくことだと思う。現在は、JTSBが調査を開始する際、踏切やホームでの事故は、以下の要件がある。
①乗客乗務員に死亡者がある場合
②死傷者が5名以上の場合 ③鉄道係員の取扱い誤り又は車両・鉄道施設の故障、損傷などに原因があるおそれがあると認められるもので、死亡者を生じたもの(2008年、JTSBが発足する際あらたに付け加えられたもの)
④特に異例と認められる場合
今回は、これに加えて、第3種・第4種踏切の死亡事故について、事故調査の対象にするというものだが、現在、全国の踏切道33,710箇所のうち、第3種・第4種踏切は、3,850カ所(11%)ある。また、第3種・第4種踏切では、事故が44件(踏切障害事故295件のうちの約15%、平成24年度)起きている。
●改正案の概要等については、
「パブリックコメント:意見募集中案件詳細」一覧に資料配布案内があります。
「鉄道事故等報告規則及び運安全委員会設置法施行規則の一部を改正する省令案等に 対す る意見」
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=675000001
●踏切箇所数、事故件数などは、
国土交通省鉄道局「鉄軌道輸送の安全にかかわる情報(平成24年度)」~~・~~~・~~~・~~~・~~~・~~~・~~~・~~~・~~~・~~~・~~~・~~
(以下、国交省の資料まとめ)
《改正案の内容》
1.背景
第9次交通安全基本計画において、鉄軌道交通の安全に関して、運転事故全体の死傷者数減少を目指すこととしているが、踏切障害事故については近年、死亡数が120人前後で推移している。
踏切障害事故について、独立性・中立性を有する運輸安全委員会の機動的な調査が、事故の再発防止や被害軽減に寄与すると考えられることから、事故リスクの高い第3種・第4種踏切道(以下、第3種踏切道等)における踏切障害事故について、調査対象を拡大する。
これに関連して、鉄道事業者による地方運輸局への速報対象についても整備する。再発防止への寄与度が低いと思われるものについては、調査対象から除外する。
(※)第3種踏切道:遮断機が設置されいないが、警報機が設置されいる踏切道
第4種踏切道:遮断機も警報機も設置されていない踏切道
2.概要
(1)鉄道事故等報告規則等の一部改正、
第3種踏切道等における死亡者を生じた踏切障害事故について、速報対象に追加
【鉄道 事故、軌道事故】
(2)運輸安全委員会設置法施行規則等の一部改正①第3種踏切道等における死亡者を生じた踏切障害事故について、調査対象に
追加する。【鉄道事故、軌道事故】
②その他a.作業中の除雪車の列車脱線事故について、調査対象から除外【鉄道事故】
b.踏切障害事故、道路障害事故、鉄道人身障害事故に係る死傷者の
調査対象要件について「5人以上の死傷者を生じたものであって、死亡者を
生じたもの」に変更 【鉄道事故、軌道事故】
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=675000001
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