2014年4月13日日曜日

福知山線脱線事故から9年~追悼のつどい

 2005年4月25日、JR福知山線尼崎駅近くのカーブで、快速電車が転覆脱線、線路横のマンションに激突し、107人が亡くなり、562人が負傷した。
 
   あれから、9年がたとうとしている。
 しかし、大切な家族を失った遺族や友人、負傷した方々の苦しみや悲しみは、いまだに癒えることはない。

 今年も、事故現場から遠くないアルカイックホールで「追悼と安全のつどい」が開かれる。
 脱線事故の遺族の中では、事故を起こしたJR西日本と、今後の鉄道事業の安全に向けた取り組みについて、検討を続けてきた。

 「つどい」では、その2年間のまとめと到達点が語られる。
 














































2014年4月4日金曜日

七回忌を迎えたJR大糸線豊科の保健所裏踏切

 6年前の2008年3月30日朝8時50分ころ、26才の男性が、出勤途中、自転車で踏切を渡ろうとして、スーパーあずさ6号に撥ねられて亡くなった。
 この年は、3月にここ豊科で、5月には武津踏切で中学1年生が、6月にはお年寄りが、スーパーあずさに撥ねられて亡くなる事故が続いた。

 事故当時は、この踏切に警報機や遮断機がなく、自動車の進入を防ぐポールも立っていなかった。写真を見ると路面が悪いのがわかる。男性は、音楽を聴くのが好きで、携帯で音楽を聴きながら出勤、踏切を自転車で渡っていたという。
 アルプスの風景に溶け込むうす紫の車体、静かな走りをするスーパーあずさは、鉄道ファンにとっては憧れの特急かもしれない。
 しかし、警報機や遮断機のない踏切を通行する者からすれば、それは、見分けにくい、接近がわかりにくい電車でもあるのではないか。
男性が亡くなった当時の保健所裏踏切  
路面が悪く、自動車の進入防止のポールもない。
            2008年3月30日  「市民タイムス」提供
  男性が亡くなった事故から、4年経った2012年6月、男性の母親が、踏切を訪れると、工事が進められていた。母親が、工事関係者とみられる男性に何の工事かたずねると、踏切に警報機と遮断機を設置する工事だという。
 
 母親によると、工事関係者は、「ここの踏切は危険だから、工事をしている」と話したという。
「そうか、ここは、危険な踏切だったのだ」と、母親は思った。それなら、なぜ、もっと早く、事業者は踏切に警報機や遮断機をつけてくれなかったのだろう。事故が起きた時は、踏切を渡った息子が悪いとばかりに、遺族である自分に損害賠償の請求書まで送ってきたのに…

 その上、第1種踏切(警報機・遮断機とも有り)にする工事について、鉄道事業者から、遺族である母親へ、連絡があったわけでもない。偶然、母親が工事の現場に行って、工事関係者と話ができたのだ。

 母親が、何年も何度も踏切に通い、「息子よ安らかに…」と呼びかけ、「踏切事故が無くなりますように…」と願ってきたその場が、安全対策が進められ改善されるということを、なぜ、事業者は一言も、母親に連絡しないのだろうか?

   安曇野市豊科にある保健所裏踏切
              2014年3月30日撮影
私たちは、今年、男性の事故から6年たち七回忌を迎えた踏切に、花たばを持って、訪ねてみた。

 自動車やオートバイの進入禁止を示す看板や遮断機の色が、真新しく清々しく見える。警報機のランプが丸型で、いろいろな方向から点滅するのが見えるようになっている。

 
 当時、男性は、一人暮らしをする母親を心配して、母親と、事故の4カ月前に同居し始めたばかりだった。
 男性が健在ならば、子煩悩なお父さんになっていたかもしれないと思うのは私ばかりではない。

 私たちは、突然、踏切事故で亡くなった大切な人のことを片時も忘れることができない。亡くなった人に伝えたかった言葉、感謝の言葉や労いの言葉が胸の中から、溢れそうになる。
 涙とともに、大切な人を救えなかった後悔の念があふれて、心の奥深くに沈んでいくのを苦しく見つめ、でも、自然にまかせることしかできない。
 
 いつか、心の奥に沈めた亡き人への思いが、形を変えて、私たちを動かす力になることを信じて…

 

2014年3月28日金曜日

運輸安全委員会、踏切事故の調査対象拡大へ

 3月26日、運輸安全委員会の後藤昇弘委員長は、記者会見で、4月から遮断機のない踏切で起きた死亡事故について、運輸安全委員会の調査対象にすることを発表した。
 
①乗客・乗務員に死亡者がある場合
 今回は、これに加えて、第3種(警報機有り、遮断機無し)・第4種踏切(警報機・遮断機とも無し)の死亡事故についても、事故調査の対象にする。
 
 現在、全国にある踏切道33、710箇所のうち、第3種・第4種踏切は、3、850カ所(全体の11%)ある。
3・第4種踏切では、事故が平成24年度は44件(踏切障害事故295件のうちの約15%、国土交通省の統計)起き、死亡事故は13件起きている。
 遮断機のない踏切では、事故の起きる割合が、遮断機のある踏切よりも高いことが、国交省の統計でわかっており、運輸安全委員会の後藤昇弘委員長は、記者会見で「リスクの高い踏切での死亡事故を調査することで、再発防止や被害の軽減に寄与したい」と話していたという。
国土交通省鉄道局が毎年まとめている「鉄軌道輸送の安全にかかわる情報(平成23年度)」(以下、「情報」と略)(p.14~15)によると、平成19~23年度の5箇年における踏切道100箇所1年あたりの踏切障害事故発生率は、第3種踏切(警報機あり遮断機なし)では1.43件、第4種踏切(警報機なし遮断機なし)では1.57件である。

この「情報」の中で、国交省鉄道局も認めるように、一般的には道路の交通量や列車の
踏切の方が交通量なども少ないことを考えると、遮断機のない踏切は事故発生率が非常に高いといえる。
運輸安全委員会が、踏切事故の調査対象を広げ、安全対策を提言していくことで、踏切事故を無くすことに大きく貢献されることを期待したい。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2605F_X20C14A3CR0000/

2014年2月13日木曜日

急カーブにある踏切~東武伊勢崎線千住東踏切

 2月6日午後7時半ごろ、東京都足立区千住東の東武伊勢崎線北千住-牛田間の千住東(伊21号)踏切で、自転車を押しながら、踏切を横断していた女性が、急行電車に撥ねられて亡くなった。                                                                                                                                                                                                                              
踏切は、北千住駅の南約670メートルのところにあり、長さ23メートル、計5本の線路が東西方向に横切っている。
  
 千住警察署が、踏切近くの防犯カメラに写っていた映像を見たところ、遮断機が開くのを待っていた女性は踏切が開いたので、北側から渡り始め、途中で警報機が鳴りだしので、後ずさりして来た方へもどり、北側の最後の5本目の線路付近で撥ねられたという。

 この踏切は、2007年4月、国土交通省が「緊急対策が必要な『開かずの踏切』」として、公表した全国589カ所のうちの一つにあたっていた。
 道路管理者は、踏切内の歩道と車道をカラー舗装で分離するなどの対策をとっていた。しかし、立体化などの抜本的な対策はとっていなかった。

千住東1丁目にある踏切 東武伊勢崎線の線路と引き込み線の計5本が通っている。
                                     2014年2月12日                                                                                                                                               
2月12日午後、踏切に行った。東武伊勢崎線牛田駅から、墨堤通りを日光街道の方へ、10分ほど歩き、右に曲がると、千住東1丁目の踏切が見える。 踏切には、幅1メートルあまりの歩道が、道路の牛田駅側片側にしかなく、自転車や歩行者が踏切の両側から入ってくると、歩道はいっぱいになる。

 路面は線路と線路の間がへこんでいるので、道路が波打つようだ。その上、線路は踏切前後の道路よりも高いので、踏切は前後が坂になっている。
 また、この踏切は、半径310メートルのカーブの上にあるため、線路の外側は、電車が脱線しないよう内側よりも高くなっている。
千住東踏切の南側から、下り北千住駅方面を見る。     2014年2月12日

 ここは通学路でもある。朝夕は小学生が通るという。また、付近の住民の方々が北側の商店街へ買い物に行くため、この踏切を横断する。買い物帰りらしいお年寄りや、若いお母さん方をたくさん見かけた。
 


千住東踏切 路面が悪く歩きにくい
2014年2月12日撮影
また、ここは、若い人でも、レールの間につまづいて転んだり、自転車のハンドルを取られかねない。私も歩いていて、レールの間に足が入りそうになった。杖をついて歩く人や、車いすの人では、とても歩きにくく、簡単に渡れるものではないと思う。
 東武伊勢崎線は、北千住駅の手前まで高架になっている。また、牛田駅の手前まで高架になっている。この北千住駅と牛田の駅の間がなぜ、高架にならないのか知らないが、危険な踏切をなくす努力を、事業者にも行政にもしてほしい。
 すぐに、高架化などの立体化が難しいのであれば、当面、踏切で誘導する係員を置くとかできると思う。

 北千住駅の近くにある北千住一丁目の踏切には、監視員がいて、警報機が鳴りだすと早く渡るよう誘導してくれる。
 北千住駅南側の踏切には、監視員が配置されている。手前が東武線、向こうに見える
       高架は東京メトロ日比谷線、その向こうはJR東日本の常磐線。常磐線には、監視員はいない。
                                   2014年 2月12日撮影
踏切は、生活道路だ。住民の方たちは、なにも好きこのんで通行しているわけではない。そこを渡らないと生活できないから、渡っている。踏切を渡らないと、商店街へ行かれないし、小学校へ行かれない。行政や事業者には、踏切を渡る人の立場に立って、踏切を改善してほしいと思う。

《参考》
拙ブログで、千住東踏切で起きた事故について書いた。
「自転車を押した女性、戻り切れず~東武伊勢崎線千住東の踏切」2014年2月8日
http://tomosibi.blogspot.jp/2014/02/blog-post.html

2014年2月8日土曜日

自転車を押した女性、戻り切れず~東武伊勢崎線千住東の踏切

 報道によると、2月6日午後7時半ごろ、東京都足立区千住東の東武伊勢崎線北千住-牛田間の踏切で、自転車を押しながら横断していた女性が、急行電車に撥ねられて亡くなった。
 踏切は、北千住駅の南約670メートルのところにあり、長さ23メートル、計5本の線路が東西方向に横切っており、女性は南側から渡り始め、最後の5本目の線路付近で撥ねられたという。

 
 この踏切は、2007年4月、国土交通省が「緊急対策が必要な『開かずの踏切』」として、公表した全国589カ所のうちの一つにあたっていた。
 国交省の資料によると、東武鉄道は踏切内の歩道と車道をカラー舗装で分離するなどの対策をとっていた。しかし、立体化などの抜本的な対策はとっていなかったという。

 
 東武伊勢崎線には、東京メトロ半蔵門線が乗り入れるようになり、便利になる一方、ダイヤが過密化しており、東武鉄道の踏切は開かずの踏切(1時間の遮断時間が40分以上)になっているところが多いと思う。
 このような踏切では、遮断機があいたと思うと、数秒でまた警報機が鳴りだし、踏切道の途中にいるなら、慌てて踏切を横断しなくてはならなかったりする。
 警察が付近の防犯カメラの映像を確認したところ、この女性は、無理に踏切を渡らずに戻ろうとしたらしい。しかし、女性が踏切の外に出る前に電車が来てしまったらしい。
 お年寄りや障害のある方も余裕を持って渡れるように、警報時間の見直しをしてほしいと思う。
国交省の技術基準は、踏切を渡る人の歩行速度を時速5キロメートルとして、警報時間を設定している。これは、若い男性ならいざしらず、女性やお年寄りでは、早すぎると思う。
 道路の横断歩道では、青信号の時間を、歩く人の速度秒速1メートルで設定しているところが多いと聞く。

 鉄道事業者は、踏切を渡る人の実態を把握し、渡る人の歩行速度などを考慮して、警報時間を設定すべきだと思う。

《参考》
総務省近畿管区行政評価局は
 「踏切道の安全確保にかんする行政評価・監視」(平成25年10月22日公表、12p)で、以下の ように指摘している 
http://www.soumu.go.jp/main_content/000255651.pdf
 「1 調査した鉄道事業者は、解釈基準の解説に記載されている、人が5km/hの速度で踏切道を通過するとした踏切遮断機の遮断装置の警報開始から遮断完了までの時間を標準としており、踏切道の長さ及び鉄道の跨線数に応じて時間を延長しているものの、踏切遮断機の遮断装置の警報開始から遮断完了までの時間は高齢者や障がい者に配慮したものとなっていない 」
 

《参考記事》
 「<東武線>自転車押す高齢者、踏切ではねられ死亡 東京」
 毎日新聞 2月6日(木)23時41分配信 【袴田貴行】
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140206-00000126-mai-soci
 「踏切事故 引返したが戻り切れず 東京・足立」NHK2014年2月7日
 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140207/k10015102091000.html