2015年6月16日火曜日

安全工学シンポジウム2015~事故防止のあり方を考える

 7月2日、3日、日本学術会議主催の「安全工学シンポジウム2015」が開催される。
同シンポジウムは、安全工学に関する各分野の問題を提起、優れた研究成果の講演と技術交流により、安全工学および関連分野の発展に寄与することを目的としている。
 会期中は特別講演はじめオーガナイズドセッション、パネルディスカッション、一般講演などが予定されている。
 なお、OS-3「事故情報と事故調査~事故防止のあり方を考える」では、以下の発表がある。
事故を無くすには、事故情報の収集と分析が欠かせない。では、踏切事故をはじめ、学校や生活の場では、どのように事故情報が集められ、再発防止に役立てられようとしているのか、事故の遺族や各分野の研究者・専門家が講演する。
 
OS-3の日時:7月2日(木)午前9時30分から11時20分
会場:日本学術会議第3室  5階 5A-(2)
内容:①加山宏(東武伊勢崎線竹ノ塚踏切事故遺族)
     「事故情報と事故調査~事故防止のあり方を考える」
    ②加山圭子(東武伊勢崎線竹ノ塚踏切事故遺族)
     「電動車いすの事故と踏切の安全対策」
    ③松田俊也(株式会社システムアドバンスト)
     「画像認識技術の踏切道障害物検知装置への応用」
    ④内田良(名古屋大学)
     「「仕方のないこと」から「公的な問題」へ~学校における柔道事故、転落事故を題材に
    ⑤本江彰(日本ヒューマンファクター研究所)
     「生活空間事故と事故調査」
    ⑥高杉和徳(製品安全コンサルタント)
     「事故の再発防止から未然防止へ~リスクアセスメントの活用~」
    ⑦米倉勉(弁護士)
     「科学的に不確実な損害と予防原則」
参加費:無料

安全工学シンポジウム2015全体については、以下のホームページを参照
http://www.anzen.org/
主催:日本学術会議総合工学委員会
共催:土木学会ほか32学協会
テーマ:安全安心な社会サイクルの構築
会期:2015年17月2日(木)~3日(金)
会場:日本学術会議(港区六本木7-22-34)
    東京メトロ千代田線乃木坂駅下車5番出口からすぐ
参加登録費:無料
講演予稿集:希望者に配布。1部5,000円(学生は2,000円)
プログラム:詳細は、安全工学シンポジウム2015 ホームページを参照http://www.anzen.org/html/Program.html

2015年5月29日金曜日

ハンドル型電動車いすの踏切事故~高砂市JR神戸線向沖東踏切

 2012年10月23日午前5時45分頃、兵庫県高砂市阿弥陀町にあるJR神戸線向沖東踏切で、電動車いすに乗って、踏切の前で、貨物電車が通過するのを待っていた男性が、電車にぶつかって亡くなった。 
 今年4月26日、男性の遺族に会うことができた。男性の遺族の話では、男性は、近くの神社にお参りに行くのが日課で、この日も朝早く家を出たところだった。
 向沖東踏切は、JR神戸線宝殿駅と曽根駅のあいだにある。警報機・遮断機・障害物検知器や、非常ボタンも設置されている第1種踏切である。(下の写真)

高砂市向沖東踏切。周辺は静かな住宅街が広がる。  2015年4月26日撮影
  男性の遺族が、踏切近所に住む男性に聞いたところによると、亡くなった男性は「遮断機がおりたため、踏切の手前でいったん停止した。その後、前のめりに倒れたあと、車いすが前に動きだし、降りていた遮断機を押し込む形で、踏切の中に入っていった。」危ないと思った男性は「非常ボタンを押そうと踏切に走ったが間に合わなかった」という。
 近所の男性は、「意識が無くなったように前かがみに倒れたあと、電動車いすのスイッチに触れたのだと思う」と語っていたそうだ。
 遺族によると、男性は、亡くなる2年ほど前から糖尿病を患い、血糖値を下げるくすりを飲んでいた。「亡くなった日の前日は夕方5時ころ夕食を終え、それからずっと食事をとっていなかった。そのため、朝、血糖値が下がり意識を失い前かがみになったのではないか。」と話していた。
 男性の遺族は、事故直後は、なぜ、男性が踏切に入ったのかわからなかったが、後日知人などから、治療薬のせいで血糖値が下がり、意識を失うこともあることを知った。
 亡くなった男性は、80歳の時、自動車の免許証を返納した。そのため、代わりになるものをと、レンタルで電動車いすを使うことにした。介護保険を使うと、レンタル料も1割の負担で済み、メンテナンスも受けられる。
 亡くなった男性が利用していた電動車いすは、アクセルレバーがハンドルよりも4センチほど上に出ている製品だったという。そのため、前のめりになった時に、レバーに体がぶつかり、前に進んでしまったのではないかと、遺族は推測している。
 
 男性の遺族は「夫は電動車いすで行動範囲が広がったと喜んでいた。高齢者が楽しく生活できるよう、電動車いすが安全な乗り物になってほしい」と話していた。
向沖東踏切を通過する電車。通行者と電車を間には、細い遮断棒のみ。
                              2015年4月26日撮影
   これから、ますます利用する人が増えるだろうと思う。 高齢者だから誤って操作したのだろうとか、まだ不慣れだったのではないかといった見方で、事故を見るのではなく、なぜ操作を誤ったのか検討し、安全対策を講じてほしい。
 事故を調査し、事故をなくすには何が必要か、関係する行政や事業者は検討してほしい。

≪参考≫拙ブログでは、以下で電動車いすの事故をとりあげた。
「電動車いすの事故~もとめられる安全対策」2015年4月1日
http://tomosibi.blogspot.jp/2015/04/3131010-8-112428138106-4-47810-2410-nhk.html

2015年5月19日火曜日

港区竹芝エレベーター事故から9年~6・3集会のお知らせ

 2006年6月3日、港区シティハイツ竹芝マンションで、シンドラー社製のエレベーターは、当時16歳の市川大輔君がエレベータから降り始めている最中に、扉が開いたまま突然上昇(戸開走行)、市川君は突然命を奪われた。そのあまりに理不尽な事故から9年が経とうとしている。
 
「生きる力」ご案内

 エレベーターは、私たちが日々生活の中で利用する身近な乗り物である。その安全は、メーカー・独立保守点検業者が情報を共有、協力して安全を厳しく維持しなくてはならないはず。
 市川大輔君の遺族らは、各方面に、なぜ事故が起きたのか、なぜ防ぐことができなかったのか、徹底的に調査・解明してほしい、事故の教訓を安全対策に生かしてほしいと訴えてきた。
 しかし、いまだに十分な再発防止策がとられているとは言いにくい。

 今年も、6月3日、大輔君の命日に、「安全な社会づくりを目指して 6・3集会」が開かれる。

日時:2015年6月3日(水)18:10~20:30
会場:港区障害保健福祉センター(ヒューマンプラザ)
    港区芝 1-8-23
    JR浜松町駅南口から徒歩8分
    *6階 講演会・報告会(竹芝小記念ホール) 開場17:30 開演18:10
    *7階 活動資料と写真展 14:00~20:30
講演:柳田邦男氏(ノンフィクション作家・評論家)
    今年で7回目になる柳田氏の講演。さまざまな事故の被害者・遺族たちを支援し続けてい      
    る。氏は、「たったひとりの命」だからこそ、事故原因と構造的背景要因をあきらかにし、次 
    の事故を引き起こさないようにしなくてはならないと話す。
他に裁判報告など:遺族、弁護士

資料代として300円
詳細は、「赤とんぼの会6・3」ホームページ http://akatonbo-6ten3.org/

2015年5月13日水曜日

お年寄りが亡くなった踏切~兵庫県川西市絹延橋第1踏切

 2013年11月21日午後4時半ころ、兵庫県川西市にある絹延橋第1踏切で、杖をつきながら踏切を渡っていた高齢の女性が、渡りきらないうちに遮断機が下り、踏切内に取り残され、電車に撥ねられて亡くなった。女性は遮断機が下りたので、あわてたようすで、転んでしまった。そこへ、川西能勢口発妙見行き普通電車が来たという。

 絹延橋駅は、能勢電鉄川西能勢口駅から、一つ目にある。この駅の南側に絹延橋第1踏切がある。幅は約8m、長さは8mくらいだろうか。電車の来た方は、カーブしており、電車の運転士が女性に気がついたのは踏切の手前30mくらいで、非常ブレーキをかけたが間に合わなかったということだ。また、踏切が開くのをまっていた車の運転手は、女性を助けようとしたが間に合わなかったという。

 

絹延橋駅改札口を出ると、右手に絹延橋第1踏切があった。電車の来た方角
川西能勢口方面は、右にカーブしていた。       2015年4月19日撮影

 踏切はカーブの途中にある。そのため、線路の外側が高くなっている。踏切道内は起伏ができていて、決して長い踏切ではないが、歩きにくい。足の悪いお年寄りだったら、歩くのが遅くなる。

 鉄道に関係する人は、電車が高速で走るには線路の外側を高くする必要があるという。しかし、踏切を通行しなくてはならない人にとっては、そういう構造の問題が、命取りにもなるということを、忘れないでほしい。
 構造上の問題は解決が難しいというが、急なカーブでは速度を落とせばよいのではないだろうか?そうすれば、線路の外側を高くしなくてもよいのではないだろうか?
急なカーブであっても高速で通過しようと思わないで、踏切を日々通行する人のことも考慮して、構造上の問題も解決してほしい。

 最後になりましたが、亡くなられた女性のご冥福を祈ります。


絹延橋第1踏切の右手、川西能勢口方面から普通電車が来た。
駅は左手にある。                     2015年4月19日撮影
<参考>拙ブログでは、以下で取り上げた
「杖をついた女性、踏切渡り切れず~兵庫県能勢電鉄の踏切 」2013年11月23日
http://tomosibi.blogspot.jp/2013/11/blog-post_23.html

2015年5月7日木曜日

両側に路側帯を設置~東武伊勢崎線北千住東踏切

 半径310mの急カーブにある東武伊勢崎線北千住東(伊21号)踏切は、東武伊勢崎線北千住駅の南約670mのところにある。長さは、約23mで5本(レール本数は10本)の線路が東西に横切っている。ここは、ピーク時には、1時間のうち40分以上閉まっている開かずの踏切だ。
 昨年2月6日、この踏切を、76歳の女性が自転車を押しながら渡っていて、踏切内に取り残され、急行電車に撥ねられて亡くなった。

 事故当時、路側帯は片側にしかなく、車両が混雑すると、狭い路側帯を両側から通行人が行きかい、危険だと思われた。
 そんな中、女性は警報機が鳴りだしたので、踏切内で立ち往生してしまったのかもしれない。

 今年3月16日、足立区は路側帯を両側に設置するなどの安全対策を実施し、足立区と地元自治会などで踏切の安全を祈った。また、東武鉄道は非常ボタンを2か所から4か所に増設、障害物検知装置も変えることを検討しているという。

 徐々に安全対策が講じられているが、この踏切が通学路でもあることを考えると、児童が通行する時間帯だけでも、踏切に誘導員がいるとよいと思う。踏切内で転んだり、渡りきれなかい人がいたら、誘導員に非常ボタンを押してもらって、電車の運転士に異常を知らせたりできるのではないだろうか?

 踏切ごとに、必要な、またすぐできる対策も異なるだろう。それぞれの踏切の利用の実態を調べて、安全対策を検討し、実施していってほしいと思う。

 

東武伊勢崎線北千住東1丁目(伊21号)踏切
カーブにあるため、外側は高くなっている。路面の凹凸が大きい。
見通しが悪く、電車が右から来ても直前まで、見えない。
                                  2015年5月7日撮影

≪参考≫拙ブログでは、事故について、以下でとりあげた
「急カーブにある踏切~東武伊勢崎線北千住東踏切」
http://tomosibi.blogspot.jp/2014/02/blog-post_13.html