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2011年7月6日水曜日

日航機墜落事故、事故原因の解説書を作成

 報道によると、運輸安全委員会は、1985年に起きた日航ジャンボ機墜落事故の事故調査報告書の内容を分かりやすく説明する解説書を作成、今月中に公表する。
 
 この取り組みは、事故原因については、遺族などから今も疑問点が出されているため、事故調査報告書を分かりやすく説明しようとしたもので、遺族の心情に応えようとするもの。

 事故から2年後、当時の航空機事故調査委員会は、事故原因について、過去の修理ミスで強度が不足していた機体後部の「圧力隔壁」が壊れたことで、垂直尾翼や操縦系統が破壊され、操縦不能に陥ったとしていた。
 しかし、この報告書については当時から、疑問や憶測が出されていた。圧力隔壁が壊れると機内の気圧が急激に下がり、猛烈な風が吹き抜けるはずだが、生存者はそのような証言をしていないといった疑問が出されていた。また、遺族からは報告書は分かりにくいと言った声が出されていた。
 
 このような疑問に応えようと、解説書の中では、「圧力隔壁」が壊れてもジャンボ機のような大きな機体では必ずしも猛烈な風が吹かないことをプールの水を抜くときを例にとって解説するなど、分かりやすい説明にしようとしているという。

 作家の柳田邦男さんは、今回の取り組みを
「これまで事故原因は、専門家が分かればいいという考え方だったが、本来は社会に対してこうだったと説明しなければならない。特に遺族が疑問を持ったら、分かりやすく説明し、どうしても解明できないところがあれば、なぜ解明できないのかまで踏み込んで、納得感に結びつける必要がある。今回の解説書は遺族と話し合いながら、できるだけ疑問点を解消していこうというもので、画期的な取り組みだ」と評価している。
 この事故で次男の健君を亡くした美谷島邦子さんは、事故原因についての納得のいく説明は遺族が一歩前に進む上で大切なことだとしている。
 事故原因の分かりやすい納得のいく説明をうけることは、なぜ大切な人が亡くならなくてはならなかったのかを理解することだと思う。
 大切な人の死を受け入れるために大切なことだと思う。

《参考》(7月29日追加)
7月29日、運輸安全委員会は解説書を公表した
「日本航空123 便の御巣鷹山墜落事故に係る航空事故調査報告書についての解説」
http://www.mlit.go.jp/jtsb/kaisetsu/nikkou123-kaisetsu.pdf
「この解説書の大きな意義~納得感のある開かれた事故調査への一歩~」ノンフィクション作家柳 田 邦 男
http://www.mlit.go.jp/jtsb/kaisetsu/nikkou123-kikou.pdf

《参考記事》
「日航機墜落 事故原因の解説書」 7月4日 4時51分 NHKニュース
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110704/k10013945371000.html

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