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2011年8月24日水曜日

天竜川で遊覧船が転覆

 8月17日、浜松市天竜区の天竜川で、川下りの遊覧船が転覆し、高齢者や幼児を含む5名が、川に投げ出され、流されるなどして亡くなった。
 
 報道によると、天竜川下りは、一日に4回運行され、事故のあった運行は、この日3回目の川下り。3隻が乗船場を順番に出発した。
 出発して約25分後、6キロのコースのうちの4キロほど下ったところで、2隻目が転覆した。後ろを下っていた3隻目の船頭らが、前を行く2隻目の転覆に気付き、船頭や乗客が、川に投げ出された人に救命胴衣を投げたり、おぼれている人を岸に引き揚げるなどして救助に協力したが、2名が死亡、行方不明になっていた3名も20日までに発見された。この事故で、亡くなった人は合わせて5名になった。

 事故があったとされる場所は、川の流れが緩やかなコースの中では、1番流れが速く渦を巻いている箇所だという。
 川下りを運行する天竜浜名湖鉄道の話によると、川下りのスリルを味わってもらうため、あえて渦に近づくこともあるそうで、今回は、船が渦に近付いて巻き込まれ岸壁にぶつかって転覆したのではないかという。
 
 国交省によると、20トン未満の小型船舶では、2003年から12歳未満の子供に救命胴衣を常に身につけさせるよう操縦者に義務付けているという。一方、12歳以上は「着用に努める」にとどまっており、おとなに義務付けることには、賛否両論があったという。
 天竜川下りの遊覧船には、救命クッションが座席にしかれていて、事故の際には、クッションの左右の輪に両腕を通して腕の前で抱き抱えるようになっている。しかし、腕の力の弱い高齢者には難しいのではないかと言う意見もある。

 国交省は、この事故の翌日、年齢を問わず全員に救命胴衣を着用させるよう全国の川下り業者に通達を出した。座布団型の「救命クッション」を使う場合、船から転落する際に身体から離れないようひもで身体につないぐなどの対策ももとめた。

 船頭の操船方法や、乗船客に対する救命胴衣の説明が十分だったのかなど、今後運輸安全委員会によって調査されることと思う。運輸安全委員会や事業者は事故調査を徹底して行い、再発防止のための対策を検討して、同じような事故を繰り返さないでほしい。

《参考記事》
「難所の急流、一瞬で 2隻目が転覆 天竜下り船事故」 中日新聞2011年8月18日
http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20110818/CK2011081802000140.html
「中日春秋」 中日新聞2011年8月18日
http://www.chunichi.co.jp/article/column/syunju/CK2011081802000015.html
 「救命胴衣の着用、全乗客に徹底を 天竜川の事故受け国交省」 日本経済新聞 2011/8/18/22:39
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819695E3EAE2E1998DE3EAE2EAE0E2E3E39191E3E2E2E2

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