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2011年8月13日土曜日

安全への祈り~日航ジャンボ機墜落事故から26年

 8月12日、日航ジャンボ機が御巣鷹山の尾根に墜落して、乗員乗客520名が亡くなった事故から、26年がたった。
 前夜の11日、ふもとの上野村を流れる神流川では、事故の遺族でつくる8・12連絡会、高崎のアコーデオンサークル、ふじおか・おすたかふれあいの会、アマービレ・オカリナ会の共催で、灯ろう流しが催された。日航機事故の遺族をはじめとして、JR福知山線脱線事故の負傷者らでつくる「空色の会」やシンドラーエレベーター事故などさまざまな事故の遺族も参加した。
 
 また、今年は、福島県相馬市の被災者も参加し、犠牲者を悼み、安全な社会と東日本の復興を祈った。群馬県内には、高崎や藤岡などに被災地から避難して生活を送る人たちがいる。8・12連絡会や高崎アコーデオンサークルの人たちの呼びかけで参加することが決まった。

灯ろうは300個ほどつくられ、遺族や関係者が灯ろうを神流川に流した

日航機事故などで亡くなった人たちを悼む-群馬県上野村神流川で
2011年8月11日 撮影

 日航機事故の原因をめぐっては、事故調査報告書について、遺族や専門家から原因の記述に疑問がある、説明がわかりにくいなどといった意見が出されていた。これにたいして、国の運輸安全委員会は、昨年秋から遺族へ事故原因を説明するため、8・12連絡会と検討を重ねてきた。連絡会が事故調査や報告書について遺族にアンケートをとり、疑問を出し、これに応える形で、運輸安全委員会が報告書の解説をわかりやすくまとめ、今年7月、事故調査報告書の解説書を公表した。

 運輸安全委員会の大須賀英郎事務局長は、今年灯ろう流しに初めて参加。大須賀氏は、「運輸安全委員会が変わっていく契機の年なので、初めて参加した。遺族に寄りそっていく姿勢を大切にしたい」とあいさつした。

 2008年、運輸安全委員会が発足するにあたり、設置法で、運輸安全委員会は被害者遺族に対して、事故調査等に関する情報を適時に適切に提供することがきめられた。
 また、今年4月には、「運輸安全委員会の今後のあり方についての提言」が、福知山線列車脱線事故調査報告書に関わる検証メンバーによって提出された。

 この中で、「今回の不祥事の発生と事故調査報告書に対する不信感の背景には、事故調査の過程の透明性の不足や公開・提供される情報の少なさの問題がある。このため、今後は事故調査の過程において、可能な限り、国民や被害者(被害者及びその家族又は遺族)、さらには原因関係事業者に対して必要な情報の提供・開示を行い、透明性の確保に努めるべきである。」としている。
そして、これは再発防止を目的とする事故調査が社会に信頼されるために必要なことだとしている。

 今年、はじめて国の機関によって、日航機事故の原因について、遺族にわかりやすく説明する努力がなされた。遺族の方々が画期的なこととして受けとめる一方、いまだ原因の究明には、いくつかの疑問も残ることだと思う。
 これからも、可能な限り、事故調査機関によって、日航機事故の遺族の方々の納得の得られる事故調査と報告がなされることを願っている。

《参考記事》
「思い幾重にも重ねて 神流川で灯籠流し」2011年08月12日朝日新聞群馬
「祈り 安全と平和と」2011年08月13日朝日新聞群馬

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