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2011年7月29日金曜日

運輸安全委員会、業務改善有識者会議(第1回)を開催

 7月27(水)、運輸安全委員会は、業務改善有識者会議(第1回)を東京都内で開催した。

 平成21年9 月に発覚した福知山線列車脱線事故調査報告書の漏洩に関わる問題から、運輸安全委員会は、脱線事故の調査報告書の内容や運輸安全委員会のあり方について検討する有識者や脱線事故の被害者・遺族からなる検証委員会を設け、検討を重ねてきた、
 今年4月、検証委員会は、その結果をまとめ、「運輸安全委員会の今後のあり方についての提言」を提出した。
 この中では、必要な業務の見直しを積極的に進めるために、外部の有識者を入れて組織と業務の改善を具体化する会合を設け、提言その他必要な事項の改革に取り組むべきであるとされ、今回の第1回の会議が開催された。
 
 この有識者会議は、検証メンバーであった関西大学の安部誠治教授や、弁護士で鉄道安全推進会議の佐藤健宗氏、作家の柳田邦男氏など、5名の委員からなる。会議は非公開。
 報道によると、会議後記者会見した座長の安部誠治氏は、検証メンバーが提言した事故調査の透明性確保や、被害者への情報提供の充実など10項目について、運輸安全委側が取り組みの状況を説明したという。
 これに対して、有識者からは「何のために事故調査をするのか社会に理解を得ることが大切」
「事故の背景にある組織の問題にまで踏み込もうという姿勢が見られるがより一層の努力を」などの指摘が出たという。

 また、報道によると、8月から、運輸安全委員会の委員長会見が定例化する。
事故調査の過程が、逐次情報公開され、事故情報が被害者や遺族に、わかりやすく説明されること、そして、事故がなぜ起きたのかていねいに説明されることが大切だと思う。
 日航機墜落事故の調査については、当時の事故調査報告書がわかりにくいという遺族の指摘を受けて、運輸安全委員会では報告書をわかりやすく説明する努力が進められ、近く解説書が公表されるという。このような作業をていねいに積み重ねていってほしい。

 専門家だけでなく、遺族や被害者や事故に関心を持つ人々誰でもがわかるような事故調査報告書を、そして何よりも、悲惨な事故を防ぐために役に立つ調査と報告書であってほしいと思う。

《参考》運輸安全委員会
「運輸安全委員会業務改善有識者会議(第1回)の開催について」(開催案内)
http://www.mlit.go.jp/jtsb/gyomukaizen/kai1-hou20110725.pdf
(7月29日追加)「運輸安全委員会業務改善有識者会議について」(配布資料など)
http://www.mlit.go.jp/jtsb/gyomukaizen/gyomukaizen.html

《参考記事》
「業務改善状況を確認 運輸安全委有識者会議」神戸新聞(2011年7月27日 山崎史記子)
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0004310118.shtml

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