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2011年2月10日木曜日

トヨタ車、「電子制御に欠陥なし」とアメリカ運輸省報告

 報道によると、アメリカ運輸省は、アメリカ国内でトヨタ自動車の車を運転中に急に加速するという苦情が相次いだ問題をうけて、調査をしていたが、2月8日最終的な調査結果を発表した。2009年8月にアメリカのサンディエゴで、4人が死亡する事故が発生するなど、大きな問題となっていた。

 2010年1月までに、トヨタ自動車は、アクセルペダルが戻りにくくなるなどの欠陥があるとして、約750万台のリコールを行った。2010年2月から3月には、この問題で、アメリカ議会の上下院では、豊田章男社長らを呼んで、公聴会が開かれた。また、トヨタ自動車はアメリカ当局に計5000万ドル近い民事制裁金を支払うことで合意している。

 しかし、アメリカ国内では、消費者から修理後も急な加速があるという苦情が相次いだことから、
アメリカ運輸省は昨年の3月末以降、電子制御システムに問題がないかどうか、アメリカ航空宇宙局(NASA)の協力をえて、調査。
 その結果、電子制御システムの問題ではなく、アクセルペダルの2種類の欠陥が原因だったと発表した。このアクセルペダルについては、トヨタ自動車はすでにリコールを実施しており、苦情があった急な加速は、運転手がブレーキとアクセルを踏み間違えていた可能性が高いとした。

 アメリカ運輸省は、運転手のアクセルとブレーキの踏み間違いを防ぐため、ペダルの形状や配置のあり方を調査する考えも示した。 また、安全対策として、アクセルとブレーキを同時に踏んだ場合には、アクセルよりブレーキを優先する装置や、事故記録装置を装備することを、すべての乗用車に義務づけるルール改正を検討しているという。

 日本でも、運転中に、アクセルとブレーキを踏み間違えて、運転手などが死亡するなどの事故が、年間7000件、幅広い年齢層でおきているという。交通心理学の研究者たちは、事故の原因を「車の構造」と「人間の心理」から検証し、ペダルの配置が操作ミスを誘発しているとの報告を出しているという。


 単なる運転手のミスとして放置されてきた事故がなぜ起きるのか調査し、事故の原因を明らかにして、日本でも、このような事故を防ぐために、安全対策を検討していくことが必要ではないかと思う。

《参考記事》
『トヨタ車急加速問題 「電子制御に欠陥なし」と米当局』 2011年2月9日11時29分 朝日新聞
 http://www.asahi.com/business/update/0209/TKY201102090047.html?ref=any

《参考》
「クローズアップ現代 見過ごされてきた踏み間違い事故」 2010年10月19日放送 (NHK)
http://cgi4.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail.cgi?content_id=2951

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