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2010年11月11日木曜日

バレリーナ森下洋子さん、広島名誉市民に

 今年9月、広島市は、市議会で、デザイナーの三宅一生さん(広島市東区出身)と、世界的プリマバレリーナの森下洋子さんを名誉市民に決めた。
 
 三宅さんは、7歳で被爆し、昨年ニューヨークタイムズ紙に被爆体験をつづった「閃光の記憶」を寄稿した。広島市は、三宅さんが核廃絶と世界恒久平和を願う「ヒロシマの心」を世界に広くアピールしたと評価した。
 
 また、森下さんは、子どものころから体が弱かったため、医師に運動をすることを勧められ、3歳からバレエを始めた。平成9年には、文化功労者に選ばれるなど、日本を代表するバレリーナ。
 
 その森下さんが、朝日新聞の連載「核なき世界へ~被爆国からのメッセージ」の中で、爆心地近くで被爆しひどい傷を負いながらも、明るく生きた祖母の思い出を語っている。
 「(祖母は)79歳で亡くなるまで恨み言一つ漏らさなかった。命の重みと、苦しさを乗り越える人間の強さ、そして、原爆はあってはならないということを無言のうちに教えてくれました。」
 「厳しいけいこを重ねながら精神の輝きを表現したいと願う原点には、一番身近な人から核兵器の恐ろしさを教えられた者として、人間を愛することの大切さ、平和への祈りを伝えねばという思いがあります。」(2010年11月3日付朝日新聞)
 
 そして、森下さんは、オバマ大統領には、ぜひ、広島を訪れて今も苦しんでいる被爆者の人たちと向き合ってほしいとも語る。
 ホワイトハウスによると、オバマ大統領は、11月12日に来日するが、「公式日程以外に時間がない」ため、広島・長崎には訪問しないという。
 しかし、広島や長崎で、誰にも迷惑をかけないようにと誠実に生きてきたにちがいない人々の無念を心に深く刻み、核兵器をなくすことに全力をつくす、それが核なき世界を訴えて、ノーベル平和賞を受け取った人の責務ではないだろうか。
《参考記事》
「三宅一生さん、森下洋子さんを名誉市民に 広島市」   2010.9.28 20:02
http://sankei.jp.msn.com/politics/local/100928/lcl1009282008009-n1.htm

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