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2010年7月31日土曜日

スイス「氷河特急」脱線事故、速度超過が原因

 報道によると、スイス連邦政府の公共交通事故調査局(SEA)は、スイス南部バレー州で起きた観光列車「氷河特急」の脱線事故は、運転士による速度の出し過ぎによる人為的なミスで事故が発生したとする暫定的な調査結果を発表した。

 SEAは、機関車の記録計などを詳細に分析した結果、列車は事故現場付近を規定速度の35キロを少なくとも10キロ超えて通過しており、最終車両がカーブを曲がり切る前に、最高56キロまで加速し、その結果後方の車両が脱線したとしている。
 SEAの責任者コベルト氏は、「運転士は加速を急ぎ過ぎたと思われる」と述べているという。

 運行会社マンターホルン・ゴッタルド鉄道(MGB)のシュミット会長は、「人為的なミス」と会社側の過失を認め、亡くなった国本安子さんはじめ負傷者に謝罪した。
 これまで、SEAや警察の事情聴取に対して、運転士は「運転士はレールが歪んでいた」と語っていたそうだが、調査の結果、責任者のコベルト氏は、脱線に関係するほどゆがみは認められなかったとしている。最終報告書は、数週間以内にまとめられるそうだ。現場では、運行を再開したが、スピードを落として通過しているという。

 27日の記者会見では、事故原因がわからないのに運行が再開されたことに国本さんの遺族は驚いたようすで、「同じようなことが起きないか懸念している」と語った。突然、穏やかに定年後の生活を送っていた夫妻を襲った事故に、遺族はやりきれない思いではないかと思う。なぜ、運転士がスピードを出し過ぎていたのかも調査されなくてはならない。

《7月31日追記》
 以前、「氷河特急」に乗ったことのある知人に聞いたところ、今回事故のあったところよりももっと危険な所はたくさんあり、なぜあの場所で事故が起きたのか、十分調査されなくてはならないとのこと。地元メディアの中には、ダイヤがタイトではなかったかという指摘もあるという。運行が遅れると運転士にぺナルティが科せられるようなことはなかったのか、十分調査される必要がある。

《参考記事》
「速度超過で脱線、『人為ミス』認める スイス列車事故 」  2010年7月30日23時7分 朝日新聞
http://www.asahi.com/international/update/0730/TKY201007300554.html

《追加参考記事》
「『氷河特急』運転士の捜査本格化 運行会社の責任浮上も」 【ジュネーブ共同】2010/07/31 09:41
http://www.47news.jp/CN/201007/CN2010073101000110.html

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