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2009年10月25日日曜日

車いす転落事故、鉄道各社対策強化へ

 報道によると、今年9月に、東急多摩川駅で、車いすに乗った女性がホームから転落し、死亡した事故から1ヵ月、鉄道各社が対策を急いでいるという。

 駅のホームは、雨水がたまらないように、どのホームにも1メートルで1㎝程度下がる傾斜が付けられている。そのため、車いすに乗ったままホームからすべり、転落する事故が起きている。先月死亡事故のあった多摩川駅でも、2007年に車いすの女性が転落してけがをしていた。
 多摩川駅では、駅の構造上から、傾斜が標準よりも大きく、1メートルで、2.5㎝下がっていた。
 またこの他にも、東京メトロの上野広小路駅や、JR上諏訪駅でも同じような事故でけがをする人が出ているそうだ。

 これらの事故後、JR東日本では、社員に ①車いすの乗客を案内する際は線路に平行に誘導する。②止まる場合は必ず車いすのストッパーをかける―よう指示しているという。東急電鉄でも同様の指示を出していたが、ハード面での対策が必要とまで考えていなかったことが、今回の事故を引き起こしたといえる。

 今回の事故で、各社は対策を強化するそうで、東急電鉄は全駅のホームを調査。2%以上の傾斜がみつかった7駅と多摩川駅に警備員を置き、転落防止用の策も11月末までに順次設置するとのこと。
 JR東日本も全駅を調査中で、柵の設置や舗装の改良を進め、他の鉄道会社も車いすやベビーカーの利用者に注意を呼び掛けるなどの対策を行っているそうだ。

 有効な事故の再発防止策として、専門家は、ホームドア-の設置を挙げる。ホームドア-は乗降時のみ開くもので、車両によって異なるドアの位置や数などの統一を図り、駅に導入しやすくすることが必要だという。今のところ、東京メトロ丸の内線や新幹線の一部の駅に設置されているが、費用の面などから普及に時間がかかっている。
 
 ホームドア-は、車いすやベビーカーを利用する方だけでなく、目の不自由な方にとっても必要である。また、誤って転落する事故を防ぐこともできる。混雑したホームではホームのへりを歩くこともあり、列車と接触する危険がある。利用者の注意徹底を呼びかけることに加え、ホームドア-などの対策を早急に検討してほしいものだ。

《記事》
車いす動き死亡事故 ホーム傾斜、転落防げ 鉄道各社対策急ぐ
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20091024AT1G2302F24102009.html

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