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2009年8月17日月曜日

ときわ台駅の踏切事故~おくれていた安全対策


 2007年2月6日午後7時半ごろ、ときわ台駅ホームのすぐ脇にある踏切に女性(当時39歳)が侵入しているとの通報を受け、警視庁板橋署常盤台交番の警視庁巡査部長宮本邦彦〔殉職後二階級特進で警視庁警部〕(当時53歳)が女性を交番に保護した。
(写真はときわ台駅ホーム横にある踏切)

 しかし女性はすきを見て交番を逃げ出し、再び踏切に侵入。同巡査部長がこれを救助しようとして女性をホーム下の退避スペースに押し込んだものの、警部自身は間に合わず、ときわ台駅を通過する下り急行電車にはねられて重体となった。

 女性は腰の骨を折るなどのけがをした。2月12日、巡査は意識が戻らないまま板橋区内の病院で亡くなった。

 事故当時、踏切には、警報機遮断機があり、立ち往生した車などをセンサーで検知し、列車に知らせる踏切障害物検知器が設置されていたが、手で押す踏切支障押しボタン(非常停止ボタン)はなかった。
 非常停止ボタンがあれば、まず、宮本巡査が押して、近づく列車を止めることができただろう。また、駅には、ホームに非常停止ボタンがあり、ホームにいた人が押したが列車を止めるには間に合わなかったという。

 ちなみに、私の住まいの近くのJRの駅のホームには、10両編成の列車が止まるが、番線ごとに非常停止ボタンが10個設置されている。つまりホームには2番線まであるので、合計20個設置されている。
 8月5日にときわ台駅に行ったとき探したら、ホームには3個しかなかった。ときわ台駅にも10両編成の普通列車が止まる。
 事故当時、ホームに非常停止ボタンがいくつあったか知らないが、ホーム中ほどに3個しかなくては、いざというときには見つけにくいと思う。

 事故の後、NHKの調べで、東武東上線の各踏切には、踏切支障押しボタン(非常停止ボタン)と踏切障害物検知装置のいずれか一方しか設置されていないことがわかった。
 
 一方、同じ池袋から出ている西武池袋線には、非常停止ボタンと踏切障害物検知装置が両方とも設置されていることがわかった。これについて、国交省は、踏切に非常停止ボタンと踏切障害物検知器のいずれかを設置していればよいという指導をしていることがわかった。
(NHK 2007年2月28日放送)
 その後、東武鉄道は東上線の各踏切に踏切障害物検知装置と踏切支障押しボタンの両方を設置したそうだ。

 宮本巡査が身を呈して女性を助けたことに多くの人が感動した。
地元の人々が中心になって、募金を募り、巡査の行動を讃える碑が建てられた。

 写真は、宮本巡査をたたえた「誠の碑」。宮本巡査が、高校の卒業文集に「誠実、誠心、誠意」と書いていたことから、誠という字が刻まれた。碑の前には、花が絶えることがないという。
(2009年8月5日撮影)

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