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2017年4月21日金曜日

お年寄りを助けようと踏切へ~京急川崎第一踏切

 4月17日、京急八丁畷駅そばにある踏切に行った。

 報道によると、先週15日(土)午前9時9分頃、踏切に入ったお年寄り(77才)を助けようとした男性とお年寄りが亡くなった。お年寄りが遮断機が下りても、中にとどまっているのを見た男性(52才)が、踏切の外から声をかけたがお年寄りは出てこない。男性は、遮断機をくぐって中に入り、お年寄りを外に出そうと腰に手をまわしたが、直後に快特が来て二人とも電車に撥ねられた。

 このニュースを聞いて、私は、2013年10月、横浜線中山駅そばの川和踏切で女性が亡くなった事故を思い出した。女性は、お年寄りを助けようとして踏切に入り、亡くなった。
 今回も、お年寄りを助けようとした男性が亡くなったと聞き、やりきれない思いで胸が苦しくなる。
 
京急八丁畷駅そばにある踏切。快特が轟音をたてて通過する。
2017年4月17日撮影
   京急川崎第1踏切は、八丁畷駅のすぐ横にある。八丁畷駅は快特は停車せず通過するため、快特は踏切を110㎞ものスピードを出して通過する。また、踏切の遮断棹と電車との間隔も少ないので、風圧を感じる。

 朝夕は電車がひっきりなしに通過し、開かずの踏切(1時間のうち遮断時間が40分以上)になる。
 快特の運転士がお年寄りと男性に気が付いたのは、踏切の70mほど手前で、非常ブレーキをかけたが間に合わなかったという。当時、踏切に4箇所設置されている非常ボタンは押されなかった。
 
京急川崎第1踏切。非常ボタンがある。
2017年4月22日撮影
踏切には、障害物検知装置といって、踏切に立ち往生などした車両を赤外線などで検知するしくみがある。しかし、車両の検知が目的のため、人は検知の対象に設定されておらず、今回のように、お年寄りが何秒も線路内にとどまっていても検知器の死角に入ってしまうと、電車の運転士に信号が送られないという。

 踏切の事故を無くすにはどうしたらよいのかとよく聞かれる。専門家ではないわたしには難しい質問だが、何よりも人を検知できる装置を設置してほしいと思う。
踏切は歩道と車道が分けられていた。非常ボタンは押されなかった。 2017年4月17日撮影
踏切を通るのは、自動車だけではない。ベビーカーをおすお母さんや、手押し車を押しながら渡るお年寄り、車椅子で出かける手足に障害を持っている人など、様々な人が通行する。若い働き盛りの人ばかりではないのだ。
八丁畷駅前は川崎駅に近く、バスやトラック、乗用車などが頻繁に通る。
2017年4月17日撮影
そういう人たちが万が一、踏切の中で転んだり、倒れたりしたときに、検知して電車の運転士に知らせ、自動的に電車の速度を落としたり、停車できるようにすることが必要ではないのか?
 人も検知できるようにする、ぜひ取り組んでほしい。そして、尊い命が失われることのないように、対策を考えてほしい。

 最後になりましたが、亡くなられた方々のご冥福を祈ります。

《追加》2017年4月22日、非常ボタンの写真を追加しました。
《参考記事》
「踏切に立って考える」朝日新聞2017年4月18日付天声人語
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12896782.html

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