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2015年1月5日月曜日

踏切事故をなくすために~命を検知する装置

 報道によると、東京都足立区の企業が、踏切内で倒れたり動けなくなった人を検知し、即座に列車の運転士などに伝える異常検知装置の開発に取り組んでいるという。

 悲惨な踏切事故が相次ぐことに心を痛め、「踏切事故は未然に防げるはず」との思いから、検知器の開発に、二つの異なる分野の企業が取り組んでいるという。
 一つは、2005年に4人が死傷する竹ノ塚踏切事故のあった足立区の企業で、機器の制御が専門の「システムアドバンスト」。鉄道や踏切の業務実績はないという。もう一社は、同社が、画像認識の技術を活用できないかと約30の企業や専門家に声をかけて、応えてくれた福岡県飯塚市の企業「ラムロック」。両社の共同開発は、昨年夏から始まった。
 何かではなく、人間が動かない、動きがおかしいのを検知でき、高齢者がトイレ内で気絶したり転倒する、徘徊するといった特異な動きも見分けることができるという。介護施設などで導入されているそうだ。
 また、雪や雨などの天候や夜間など、周りの状況にも左右されず、人か小動物かの区別もできるという。

 現在、国土交通省の定める技術基準によると、踏切に設置されている障害物検知装置は、踏切を通行する車両を検知するために設置されている。2013年10月の横浜市中山川和踏切事故の際に、事故のあった踏切に設置されている検知器は、人を検知する設定になっていないという報道があった。
 もし、踏切内に倒れていたお年寄りとお年寄りを助けた女性を検知装置が検知し、電車を止めていたら、お年寄りだけでなく、お年寄りを助けた女性も助かっていたかもしれないと、あの当時、誰もが思ったと思う。
 事故直後、私は川和踏切の障害物検知装置を見て、それが最先端の技術を使った踏切設備だと思っていた私は、なぜ女性を救えなかったのかと、悲痛な思いがした。
 その後、報道で、最先端の障害物検知装置は、踏切を通行する人を検知する設定をしていないことがわかった。人を検知する設定にすると、人だけでなく、小動物なども検知してしまい、その都度安全確認のために列車を止めなくてはならないから、人を検知する設定をしていないというのだった。
 
 JR東日本は、2005年からIHI(東京都江東区)と高精度の障害物検知器を共同開発した。JR東日本広報部によると、「人を対象とした検知機能の実現の可否は、技術的な検討を進めている。小動物や天候の影響を受けないようにすることが課題」だという。

 国土交通省によると、全国には踏切が33,655か所(平成25年度末)ある。その踏切を通行するのは、車両だけではない。踏切は生活に必要な道路として、通学や通勤、通院に必要な道路として、多くの人が行きかう。 
 だから、列車の運行だけではなく、踏切を通行する人の命も守る対策を十分考えてほしいと思う。

 そんな思いに応えてくれる企業や人が増えつつあることに、温かさと明るさを感じる。
 私も、踏切事故が少しでも減ることを願って、小さな歩みをすすめていこうと思う。

≪参考記事≫
「『踏切転倒見逃さぬ』 足立の企業 検知システム開発へ」東京新聞2015年1月4日朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015010402000097.html
(1月23日記事を追加)
「踏切事故、人検知センサーで防げ 監視カメラの技術応用」朝日新聞デジタル2015年1月22日
http://digital.asahi.com/articles/ASH1P3D75H1PUTIL005.html
≪以下は、東京新聞記事から≫
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