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2014年6月4日水曜日

踏切事故防止対策の強化を~警視庁が要請

 報道によると、6月3日、警視庁は高齢者が踏切を横断中に、電車に撥ねられて亡くなる事故が相次いでいるため、鉄道事業者を集めて、踏切事故防止のための安全対策を強化することを要請した。鉄道事業者10社の安全対策の責任者を同庁に集めた「踏み切交通事故防止対策会議」の開催は初めてだという。会議の冒頭、広田耕一同庁交通部長は、「危険な踏切は高齢者の生活の大きな障害となっている。今回の会議を契機に有効な安全対策を進めて行きたい」と会議の参加者を前に話した。
 
  
 会議には、国土交通省、東京都交通局、JR東日本、私鉄大手各社が参加した。
警視庁が要請した主な内容は、
①踏切内の障害物を検知し、運転士に知らせる高感度のセンサーの設置
②非常通報装置の増設
③路側帯の整備など
①について
踏切に障害物検知装置が設置されていも、踏切内に取り残された自動車を検知するのが目的で、人を検知する設定になっていない。そのため、昨年10月横浜市で、高齢者を助けようとした女性が検知されず電車に撥ねられて亡くなるなどの事故が起きていた。このような事故を防ぐには、高感度のセンサーを人を検知できるように設定したりする必要がある。
                           
JR横浜線川和踏切   駅寄りにある障害物検知装置
(ポストのような形のもの)
                           2013年10月2日撮影
②について
第1種(警報機・遮断機付き)の踏切には、非常ボタンが設置されているところが多いが、踏切の出入りする双方に一つずつ計2カ所しか設置していないことが多い。しかし、幅の広い踏切では、片側の非常ボタンに行くのに何秒か、時間がかかってしまう。一秒を争う緊急事態に、近くに非常ボタンがなかったり、手が届かない位置に非常ボタンがあっては、押すことができない。非常通報装置を増設する必要がある。
                              
JR高崎線の上り快速列車が上町踏切(埼玉県本庄市)を通過する
非常ボタンは踏切の片側にしかない
                      2012年12月29日撮影
③について
踏切道の片側にしか歩道(路側帯)がないため、狭い路側帯で通行者が行きかい、混雑する踏切では、路側帯を整備する必要がある。
2月6日、北千住東1丁目の踏切を、自転車で渡っていたお年寄りが取り残された事故の現場は、路側帯が片側にしかなかった。そのため、途中で警報機が鳴りだし、お年寄りが後ずさりしながら、踏切の外に出ようとしたが、出られなかったことが、防犯カメラの映像からわかったという。

千住東1丁目にある踏切 東武伊勢崎線の線路と引き込み線の計5本が通っている。
                       路側帯が片側にしかない                       2014年2月12日撮影
                                                             

 踏切事故をなくすためには、さまざまな対策が考えられると思う。できることはたくさんあるはず。鉄道事業者や関係する自治体には、一つ一つ確実に取り組んでほしい。

《参考》北千住東1丁目の踏切事故について、拙ブログでは
「急カーブにある踏切~東武伊勢崎線北千住東踏切」2014年2月
http://tomosibi.blogspot.jp/2014_02_01_archive.html
《参考記事》
○「踏切事故防止対策強化を要請=鉄道各社に、高齢者死亡で-警視庁」 
 時事通信社2014年6月3日
http://i.jiji.jp/jc/i?g=soc_30&k=2014060300860
○(6月5日追加)「 踏切事故 目に見える対策実現を 警視庁と鉄道各社が会議」東京新聞2014年6月5日朝刊 
○「第9次交通安全基本計画」内閣府
http://www8.cao.go.jp/koutu/kihon/keikaku9/keikakuall.html

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