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2013年8月25日日曜日

88歳の男性死亡、踏切渡り切れず~JR京浜東北線生見尾(うみお)踏切

 報道によると、8月23日午後6時50分ころ、横浜市鶴見区生麦3、京浜東北線鶴見ー新子安間にある生見尾(うみお)踏切で、88歳の男性が亡くなった。

 
 男性は、つえをついて踏切を渡っていたところ、途中で警報機が鳴りだし、出る側の遮断機にたどり着く前に電車に撥ねられた。男性はまもなく、死亡が確認された。
 いっしょに渡っていた妻は、電車と遮断機の間で間一髪、助かったという。

 生見尾踏切は、京急生麦駅の北西側にあり、横須賀線、京浜東北線、東海道線の線路計6本が通っている。また、貨物線の線路が2本、高架になって走っている。踏切の幅は約40mだということだが、貨物線の手前、東海道線の遮断機を出た所までではないか。道路幅は5,6m、歩行者と車両の通行するところを区別するため、色分けされている。
 京浜東北線と東海道線の間には、退避場所があり、踏切を渡りきれないときは、そこで東海道線の遮断機が開くのを待つことになる。


生見尾踏切。 男性が入った方から見る。手前の線路は横須賀線。
次が京浜東北線の線路。間に待避できる場所があるが、停車禁止。
左に跨線橋があるが、エレベーターやスロープはない。
2013年8月24日撮影
貨物線の下をくぐり、2,3件店の前を過ぎると、すぐに京急生麦駅から出てくる線路が2本通っている。だから、男性が住んでいた踏切北側の岸谷からスーパーなどがある南側に行くには、線路を8本渡り、2本の線路をくぐることになる。全部渡り切るには、80mほど歩くと思う。

 生麦駅を出ると踏切の両側に下りるための跨線橋がある。
 しかし、跨線橋はバリアフリーになっておらず、エレベーターは設置されていない。また、自転車の通行者が渡れるように、緩いスロープがない。そのため、高齢者や小さいお子さんを連れた方には跨線橋は使いづらく、踏切を渡らなくてはならない。

 23日午後は、横浜市に大雨洪水警報が発令され、土砂降りの雨になった。
連日の猛暑と急な雨で、お年寄り夫妻は夕方涼しくなったころを見計らって、買い物に出かけたのかもしれない。足元が暗くなってきて、線路や踏切道の凸凹がわかりにくくなり、つまづいたり、杖が線路の溝に入ってしまうこともあったかもしれない。
 

 
跨線橋から見た生見尾踏切。南北に長い。踏切道が凸凹して
いるのがよくわかる。
なかほどに、退避場所があるが、男性はここにたどり着けなかった。
2013年8月24日撮影
この踏切では、2006年11月にも、踏切を渡り切れなかった高齢の女性が、京浜東北線の電車に接触し手足をケガするという事故が起きているという。事故が起きて尊い命が失われてから、事故防止の対策を講じるのではなく、踏切周辺に住む人たちの声に耳を傾けて、早く対策を講じてほしい。

 跨線橋を管理する自治体は跨線橋のバリアフリー化をすすめ、お年寄りや小さいお子さんを連れた方、体の不自由な方が、踏切を余裕持って渡れるよう、鉄道事業者には遮断時間などを見直してほしいと思う。

 最後になりましたが、亡くなられた男性のご冥福をお祈りいたします。