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2013年2月4日月曜日

行田市長が踏切廃止を要望~東行田No.2踏切の事故

 1月18日、行田市桜町2の秩父鉄道の東行田No.2踏切(警報機、遮断機なし)で、小学5年生の男子児童が電車に撥ねられて亡くなった。
事故のあった東行田No.2踏切 幅は2m弱、路面が悪い。
                      2012年12月9日撮影
報道によると、この事故をうけて、工藤正司行田市長は、大谷隆男秩父鉄道社長に、事故のあった東行田No.2踏切の廃止を要望した。今後、市が住民に理解を求め、合意を得られた場合、同社は廃止に向けた対応を進めるという。

 現場の踏切は、警報機・遮断機のない第4種踏切で、踏切の入口から線路までは急な下りになっている。行田市は「遮断機などの設置だけでは十分な安全対策が確保できず、廃止が最良の選択」と判断した。また、NO.2踏切を廃止した場合、約100m東側にあるNO.1踏切(第4種)の交通量が増えると予想されることから、NO.1踏切に警報機・遮断機を設置することもあわせて要望した。

 秩父鉄道によると、同社の全踏切311カ所のうち、第4種は99カ所ある。過去5年間に死亡事故が4件発生している。2008年9月、今回事故のあった踏切から約230m西側にある東行田NO.5踏切(事故当時第4種)では、中学2年生の男子が、自転車で踏切をわたろうとして、急行電車に撥ねられて亡くなっている。また、翌年12月には、同じ踏切で、4歳の保育園児が線路内に入り、電車に撥ねられて亡くなるという痛ましい事故が起きている。
 
 秩父鉄道は、第4種踏切を廃止することを検討してきたが、実際には過去10年間で、廃止できたのは6カ所、第1種への切り替えができたのは6カ所にとどまっているという。
 警報機・遮断機の設置費用は約1000万円で、そのうち国や自治体が費用の6分の5を負担する。しかし、更新や維持費用は事業者の負担となるため、経営の厳しい秩父鉄道では、踏切の第1種化が進まなかった。
 また、住民の方々からは、踏切が廃止されると「遠回りになる」などの意見があり、廃止について合意を得るのが難しいこともあるという。

 行田市は、緊急対策として、踏切の入口にU字型の防護柵を設置し、自転車やバイクからおりないと通行できないようにした。行田市では、「市として、これ以上(踏切の危険性)を看過できない。ご理解いただけるよう地元の方々にていねいに説明していきたい」と話しているそうだ。
 
  地方の中小の鉄道事業者は、経営が厳しい状況にあると思う。しかし、観光地の少ない埼玉県にとっては、SLなどが走り自然豊かな秩父路を走る秩父鉄道は、重要な公共交通でもあると思う。踏切の安全対策を事業者だけに任せるのではなく、行政も一緒に積極的に取り組んでほしい。そして、踏切で、悲惨な事故の起きることのないよう、早急に取り組んでほしいと思う。
 

東行田No.2踏切 亡くなった児童はこちら側から踏切に入ったと見られている。
二輪車の進入を防止する柵が新たに設置されていた。  2013年1月27日撮影
《参考》拙ブログでは、以下で、この事故についてとりあげた
「秩父鉄道の踏切事故(埼玉県行田市)~警報機・遮断機のない第4種踏切 」
http://tomosibi.blogspot.jp/2013/01/blog-post_18.html
《参考記事》
「行田の踏切児童死亡事故:市長が踏切廃止要望 住民合意も焦点 /埼玉」 毎日新聞 1月31日(木)12時16分配信 【大平明日香】
 
http://mainichi.jp/area/saitama/news/20130131ddlk11040219000c.html

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