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2012年3月18日日曜日

白倉踏切に非常ボタン設置~電動車いすの踏切事故

 2009(平成21年)年4月13、高知県佐川町のJR土讃線の白倉踏切で、電動車いすに乗って踏切を横断していた女性(86歳)が、踏切内に取り残され、特急列車に撥ねられて亡くなった。

 事故の後、女性の遺族が、JR四国の安全対策に落ち度があったとして、JR四国に対して、損害賠償をもとめる裁判を起こした。
 白倉踏切には、警報機・遮断機があるが、踏切内に閉じ込められるなどの異常を運転士に知らせるための非常ボタンが設置されていなかった。事故のあった白倉踏切のとなりにある、人のほとんど通らない車両の通れない踏切には非常ボタンが設置されている。
 しかし、女性の遺族は、国道に面した交通量の多い白倉踏切には、非常ボタンが設置されていない、警報機がなり始めてから遮断機が下りるまでの時間が他の踏切に比べて短いなどの問題点があると指摘していた。

 おととし、9月、JR側が安全対策を推進することなどを条件に、女性の遺族と和解が成立。JR四国は、裁判所に列車の運転士に踏切の異常を知らせる非常ボタンの設置を促されていた。
 JR四国は、これをうけて、平成23年度の事業計画に現場の踏切に非常ボタンを設置することを盛り込み、今年2月、工事が終わり、運用が始った。

 踏切事故で亡くなった女性の長女は、「非常ボタンのない踏切がひとつ減ったという点では評価できる。しかし、今回非常ボ タンは遮断機の外側に設置されているうえ、車いすに乗った状態で押せるかどうか分からない高さに設置されていることが残念だ。鉄道会社には事故原因を究明したうえで今後、安全対策を徹底してほしい」と話す。
 非常ボタンが遮断機の外側にあっては、踏切内に閉じ込められた通行者が押せないかもしれない。また、地面から150㎝と高い位置にあるため、子どもや車いすに乗った人が自分で押すことができないかもしれないと遺族は説明する。

 JR四国によると、1326か所ある踏切のうち、全体の64.8%にあたる860か所に非常ボタンが設置されているという。迅速に運転士に踏切の異常を知らせて、安全に列車を停車させることができるよう、 JR四国には、非常ボタンやセンサーなど、踏切の安全対策を進めてほしいと思う。

《参考》
拙ブログでは、白倉踏切の事故を以下のページでとりあげた
「踏切事故の現場をたずねて~高知県佐川町白倉踏切」2010年4月26日
http://tomosibi.blogspot.jp/2010_04_01_archive.html
《参考記事》
「死亡事故踏切に非常用ボタン」2012年2月17日NHKニュース(高知)
http://www.nhk.or.jp/lnews/kochi/8016756831.html

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