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2011年10月4日火曜日

福島県内の子ども、甲状腺機能に変化

報道によると、認定NPO法人日本チェルノブイリ連帯基金(JCF)と信州大学病院(ともに松本市)が、福島県内の子ども130人を対象として、この夏、健康調査を行った結果、10人(7.7%)の甲状腺機能に変化が見られたという。経過観察が必要と診断された。福島第一原発事故との関連性は明らかでないが、JCFは今後も継続的に検査が受けられるよう支援していく方針だという。

調査は、原発事故から逃れて茅野市に短期滞在していた子どものうち、希望者を対象に今年7月28日、8月4日、18日、25日に実施、医師の問診と血液検査、尿検査を行った。130人は73家族で、子どもは生後6カ月から16歳、平均年齢7.2歳だという。

今回の調査では、1人が甲状腺ホルモンが基準値を下回り、7人が甲状腺刺激ホルモンが基準値を上回った。甲状腺機能低下症と診断された例はなかった。
2人の男児(3歳と8歳)が、「サイログロブリン」の血中濃度が基準値をやや上回った。サイログロブリンは甲状腺ホルモンの合成に必要なタンパク質だそうで、甲状腺がんを発症した人の腫瘍マーカーにも使われる。また、甲状腺の腫瘍が産生したり、甲状腺の炎症で甲状腺組織が破壊されたりすると、血中濃度が高くなる。健康な人の血液中にも微量存在するという。
甲状腺が甲状腺ホルモンを合成する際には、ヨウ素を必要とする。原発事故で放出された放射性ヨウ素が、体内に取り込まれると、甲状腺に蓄積し、甲状腺がんや機能低下症を引き起こすとされる。旧ソビエト連邦のチェルノブイリでおきた原発事故の被災地では、事故から数年して、小児甲状腺がんが増えている。そのため、JCFの鎌田実理事長は、福島県内の子どもたちが、継続して定期的に検査が受けられるよう、支援する必要があると説く。

福島県内の子どもの中には、被曝している子どもがたくさんいるかもしれない。今後も長く、継続して検査や、必要な治療が受けられるよう、行政や東京電力は必要な対策を講じてほしいと思う。

《参考記事》
「10人の甲状腺機能に変化 福島の子130人健康調査 」信濃毎日新聞10月04日(火)
http://www.shinmai.co.jp/news/20111004/KT111003ATI090018000.html

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