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2011年9月19日月曜日

東京電力、黒塗りの資料を提出~福島原発事故

 9月12日、東京電力は、衆院科学技術・イノベーション推進特別委員会(川内博史委員長)の求めに応じて、過酷事故(シビアアクシデント)に対する手順書の一部を開示した。

 東京電力は、「1号機運転操作手順書(シビアアクシデント)」の表紙と目次、A4判計3枚を開示した。保安院を通じて、非公開の同委員会理事会に提出されたが、閲覧後東京電力の求めにより回収されたという。川内委員長によると、手順書は2003年7月1日に作成され、今年2月1日に改定されたと記されていた。目次の序文など50行のうち48行が黒塗りにされ、読めたのは目次の「消火系」「不活性ガス系」という単語だけで、内容は不明だという。

 同委員会は、8月26日、保安院を通じて、東京電力に対して、過酷事故の手順書を提出するよう要請していたが、9月2日に提出された「事故時運転操作手順書」などは、過酷事故の手順書でないばかりか大半が黒塗りだった。東京電力は、「知的財産が含まれる」「安全確保・核物質防護上の問題が生じるおそれがある」という理由で、黒塗りにしていたが、同委員会は、再度過酷事故の手順書を提出するように要請していた。

 しかし、今回提出された資料もまたほとんど黒塗りで、国会での事故の解明に支障をきたすことになるという。同委員会は、原子炉等規制法と電気事業法に基づく書類提出を求めることを決定、経済産業相に要請した。

 この問題について記者に質問された枝野経済産業相は、「一定の公開について制約があることは十分承知している」と前置きした上で、「私は納得できるような説明は受けておりません」「黒塗りをして公表できないというのであれば、そのことについて国会関係者はもとより、国民の皆さんが納得できるような説明をする責任が東京電力にはある」と述べたという。

 又、同委員会は、政府の福島原発事故調査・検証委員会(畑村洋太郎委員長)を訪問、同委員会として、事故原因の徹底検証などを求める要望書をわたした。

 過酷事故(シビアアクシデント)に対する手順書がどの程度整備されていたのか、またどんな点が不十分だったのか検証することは、全国の原子力発電所の事故対策にとっても重要だと思う。東京電力は、国民の生命にとって重要な事故の資料をすみやかに提出して、事故原因の検証と事故の説明に努めるべきだと思う。

《参考記事》
「50行中48行黒塗り 東電、国会に原発事故手順書提出」朝日新聞2011年9月12日
http://www.asahi.com/national/update/0912/TKY201109120347.html

「東電の原発事故時手順書の"黒塗り"問題、枝野経産相『納得できる説明受けていない』」
ニコニコニュース(オリジナル) 2011年9月13日(火)12時23分配信
http://news.nicovideo.jp/watch/nw113629

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