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2010年10月8日金曜日

踏切は減っているのに、なぜ踏切事故は減らない?

 国土交通省の「鉄軌道輸送の安全にかかわる情報(平成21年度)」によると、鉄道の高架化や廃止などにより踏切の数が減っているにもかかわらず、通行者が犠牲になるなどの踏切事故が昨年度は、増加に転じたことがわかった。

 報道によると、非常停止ボタンなど踏切の安全装置が使われていないケースがあり、利用が大幅に減った鉄道会社もあったという。識者は「ボタンの数が足りない」「わかりにくい」などと指摘しているという。

 9月19日には、東京都府中市の京王線東府中駅近くにある「東府中2号踏切」で、女性(67歳)が準特急電車にはねられて亡くなる事故が起きた。また、その約1か月前の8月23日には、世田谷区の東急大井町線等々力駅構内にある踏切で、踏切を横断していた71歳の女性が急行電車にはねられ亡くなった。いずれも警報機と遮断機がある踏切だが、遮断機の脇に設置された非常停止ボタンは使われていなかった。
 
 写真は東府中2号踏切。踏切入口にある非常ボタンのところから、府中方面をみる。(2010年9月25日撮影)

下は等々力駅構内にある踏切。駅に入るには、踏切を渡らねばならないため、遮断機が下り初てからも、急いで駆け込んで渡る人が多い。事故当時、駅構内が混雑していたのか、当時の状況はよくわかっていないが、女性は遮断機内に取り残されて亡くなった。(2010年9月29日撮影)


 東府中2号踏切では、事故の後、非常ボタンを2か所から4か所に増やした。先月東府中2号踏切をたずねたら、秋の交通安全キャンペーンなのか、踏切では京王電鉄の駅員が、「踏切事故防止」を訴えるチラシなどを配布していた。

 京王の駅員は、「踏切で非常の事態が起きた際に、非常ボタンを押してくれれば運転士に連絡がいき、非常停止できるので、非常ボタンを押してください」と言っていた。しかし、自分が何らかの原因で踏切に取り残されたとき、踏切の周辺に他に人がいなければ、非常ボタンを押してもらえない。また、通行人に非常ボタンの設置場所もすぐわかるようにしておく必要があるのではないだろうか。

 子供や高齢の方が踏切内に取り残された際、自動検知できる設備や、踏切内でつまずいたりレールに挟まれたりしないよう路面を整備するなど、交通弱者に配慮した安全対策が必要ではないかと思う。

《参考》
「鉄軌道輸送の安全にかかわる情報(平成21年度)」について、当ブログでは
http://tomosibi.blogspot.com/2010/09/21.html
参考記事》
踏切減ってるのに事故増非常ボタン足らない?
(2010年10月8日17時31分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20101008-OYT1T00939.htm

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