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2010年9月16日木曜日

「鉄軌道輸送の安全にかかわる情報(平成21年度)」~国交省鉄道局が公表

 今年7月、国土交通省鉄道局は、「鉄軌道輸送の安全にかかわる情報(平成21年度)」(以下、「情報」と略)を公表した。

 平成21年度の「情報」をみると、運転事故の41.7%を踏切事故がしめている。また死傷者数も運転事故全体の37.3%をしめ、国交省鉄道局も「踏切事故防止は鉄道の安全確保上、極めて重要なものとなって」いると指摘している(「情報」33ページ)。 

 踏切事故は、長期的には減少傾向にあるといわれており(「情報」14ぺページ)、特に平成17年3月の竹ノ塚踏切事故の後、各方面の踏切事故防止の取り組みもあって、平成20年度には、平成17年度から100件余り踏切事故の件数が減っていた。

  しかし、「情報」によると、平成20年度に比べ、平成21年度の踏切事故の件数は、41件増の355件で、踏切事故の死亡者は125人で9人増、死傷者は274人で、60人増えている。
  平成21年度は、減少傾向が止まり、踏切事故件数にして13.4%、死傷者数にして29%増えているのである。この増加がどんな要因によるものなのか、国交省鉄道局には十分事故情報を分析して、踏切事故を防ぐ対策を講じてほしいものである。

 特に、第3種、第4種といった警報機や遮断機のない踏切では、警報機・遮断機のある第1種踏切よりも事故の発生する割合が高くなっている(「情報」15ページ)。国交省や地方自治体、各鉄道事業者には、地方の路線などに残る危険な踏切や「開かずの踏切」の安全対策を急ぎ、悲惨な踏切事故の犠牲者をなくすよう努めてほしい。
 
《参考》
「鉄軌道輸送の安全にかかわる情報(平成21年度)」国土交通省鉄道局 平成22年7月
http://www.mlit.go.jp/common/000124042.pdf
「鉄軌道輸送の安全にかかわる情報(平成21年度)の訂正について」(平成22年9月14日)
http://www.mlit.go.jp/common/000124056.pdf

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