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2010年4月9日金曜日

天窓から児童転落、事故の教訓生かされず

 報道によると、8日、霧島市溝部町麓の陵南小学校で、男児児童が、校舎屋上にある天窓から転落して、頭蓋底骨折のけがを負った。
 屋上には、2か所天窓があり、授業で屋上を使うことがあるのに、防護柵などはなく、学校側は「天窓に児童が乗るとは思っていなかった」と話しているという。

 2008年6月、東京都杉並区で、天窓から転落して児童が死亡した事故の後、文部科学省は、天窓に乗らないよう児童へ周知徹底することや防護柵設置を促していた。これをうけ、霧島市教育委員会では、各学校に通知していた。

 しかし、同教育委員会は、2008年9月、同小の天窓を調査・確認した際、屋上の出入り口が施錠してあることから「子どもが屋上に上がることはない」と判断、防護柵設置などの安全対策は取らなかったという。同教育長は事故があって初めて、屋上が授業に使われていたことを知ったという。

 同校校長は、「屋上を使うのは短時間だけなので、十分気をつければいい、と考えていた。認識不足だった」と話している。

 半球状のアクリル製の天窓は、非常に弾性が強く、網入りガラスと組み合わせて半球を作ると、空気ばねになり、実験でダミー人形を乗せるとトランポリンのように弾むという。事故の専門家は、このような事故を防ぐには、乗り越え不可能な柵をつくるとか、アクリルドームや網入りガラスを透明にして下が見えるようにするなど、子供自身が危険を察知できるようにすることが必要だと説いている。

 子供は大人が思いもよらない行動をとることがある。子供の目線に立って、想像力を働かせて子供の行動を検討し、学校の安全対策を考える必要があると思う。

《参考記事》
児童転落の霧島市立陵南小 「天窓ない」と県教委に回答
(2010 04/09 10:57)
http://373news.com/modules/pickup/index.php?storyid=23221

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