踏切には、車両の入れ替え線を含む計9本の線路が通っているが、警報機や遮断機のない第4種踏切だという。長さは35メートルもあり、利用者は自分で電車が来ないかどうか、確かめながら渡らねばならない。
この踏切を避けて線路を渡るには、約280メートル離れた別の踏切に迂回しなくてはならいので、地元の住民はこの踏切を渡るという。JR東日本と逗子市は、山の根踏切を廃止する方向で協議しているが、見通しは立っていないという。
また、警報機・遮断機のない踏切は、神奈川県内に27箇所あるといい、対策が急がれる。
今年2月26日の記者会見で、運輸安全委員会の中橋和博委員長は、
「例えば、時速100キロで走行する列車は200m先から7秒ほどで踏切に到達します。このような高速で列車が走行する路線においても遮断機のない踏切が存在しており、高速道路で信号のない横断歩道を渡るようなものだと感じるところですが、列車はブレーキをかけて停止するまでの距離が自動車の数倍も必要であることを考えると、高速道路よりも危険だと言えるかと思います。」
「踏切の見通し状況や列車の速度などを把握している鉄道事業者が、積極的に関係者に働きかけて協議を進展させることにより、踏切の廃止や遮断機等の整備の早期実施につなげることも重要だと考えます。」と語っている。
鉄道周辺の宅地化が進み、人口が急速に増え、第4種踏切を取り巻く環境が大きく変わっているのに、鉄道事業者はいつまでも警報機や遮断機を設置しないまま、踏切を通行する人に負担を強いているのではないだろうか。
危険な踏切を放置せず、一刻も早く対策にとり組んでほしい。
《参考》
2019年2月26日運輸安全委員会委員長会見要旨
http://www.mlit.go.jp/jtsb/kaiken/kaiken20190226.html
「危険な踏切 『こわいけど』渡る 住民『生活に必要』」毎日新聞2019年5月12日
https://mainichi.jp/articles/20190512/k00/00m/040/019000c