報道によると、11月21日午後4時半ころ、兵庫県川西市絹延町の能勢電鉄妙見線・絹延橋第1踏切で、川西能勢口発妙見行きの普通電車に女性がはねられて、亡くなった。女性は病院に運ばれたが、死亡が確認された。所持品から、県警は80才代の女性ではないかとみている。
川西署が近くの防犯カメラの映像を確認したところ、女性が杖をつきながら歩いて踏切内に入り、渡り終える前に遮断機が下りてしまい、あわてた女性が転ぶようすが映っていたという。
踏切は、絹延橋駅の南側にあり、幅約8.4mで、現場はカーブしているという。運転士が、女性に気付いたのは、踏切の約30m手前で、非常ブレーキをかけたが間に合わなかった。
また、踏切が開くのを待っていた車の男性が助けようとしたが、間に合わなかったということだ。
高齢と思われる女性が、途中で立ち止まりながら踏切を渡っていたようで、渡り切れずに踏切内に取り残されたと思う。
今年10月、総務省近畿管区行政評価局は、踏切道における高齢者や障がい者のための安全対策について調査し、報告書をまとめている。その「踏切道の安全確保にかんする行政評価・監視」(平成25年10月22日公表)の中で、以下のように指摘している。
1 調査した鉄道事業者は、解釈基準の解説に記載されている、人が5km/hの速度で踏切道を通過するとした踏切遮断機の遮断装置の警報開始から遮断完了までの時間を標準としており、踏切道の長さ及び鉄道の跨線数に応じて時間を延長しているものの、踏切遮断機の遮断装置の警報開始から遮断完了までの時間は高齢者や障がい者に配慮したものとなっていない
鉄道事業者は、上記によれば、踏切を通行する人の歩く速さを時速5km(およそ毎秒1.3m)として、警報機が鳴り始めてから遮断機が下りるまでの時間を計算しており、これは成人の男性の歩く速さである。
車いすの方や高齢の人、足腰の弱った方は、もっと歩くのが遅いと思う。
事業者は、踏切をどんな人たちが渡るのか実態を把握して、遮断時間を決めたり、路面を整備することが必要ではないのか。
踏切の手前がカーブしていて、運転士から踏切の状況が直前まで見えず電車を止めることができないのであれば、踏切の手前で電車が安全に止まれるように、障害物検知装置などを整備して、事故を防ぐようにすべきだと思う。
《参考》
総務省近畿管区行政評価局(平成25年10月22日公表)
「踏切道の安全確保にかんする行政評価・監視」12ページ
《参考記事》
「杖つき踏切、渡りきれず女性死亡 兵庫・能勢電鉄」朝日新聞2013年11月22日07時42分