近畿2府4県内のJR・私鉄の踏切4389カ所のうち、大阪府内の約3分の1にあたる239カ所を対象とした。対象となった踏切は無人で、警報機・遮断機つき、または警報機つき遮断機なしを対象とした。
その結果、
①非常押しボタンの位置が不適切で、扱いにくいもの11カ所
②ボタン位置が見にくいもの5カ所
③路面劣化により、安全面で問題のあるもの1カ所
④異常の際の連絡先掲示が分かりにくいもの55カ所
⑤踏切内が狭く歩車道が分離されておらず、歩行者の安全のため、対策が必要なもの5カ所
⑥電動車いす利用者が横断に際し、開いている時間が短く渡り切れない恐れのある踏切4カ所
⑦踏切での車いすの利用者実態そのものを把握していない事業者が、調査対象5社のうち4社に 上った。
これらの点について、いずれも近畿運輸局を通じて各鉄道事業者に通知された。
私たちが「運転事故等整理表」(国土交通省鉄道局)の踏切事故について集計したところ、大阪圏(大阪府、京都府、兵庫県、奈良県)では、東京圏(東京都、埼玉県、神奈川県、千葉県)より、踏切事故の件数が多いことがわかった。
東京圏では、平成17年度から平成24年度までの8年間の踏切事故の合計件数は387件であるのに対し、大阪圏では、平成17年度から平成24年度までの踏切事故の合計件数が514件と、東京圏よりも多い。
近畿行政評価局が、踏切の実態を調査し、近畿運輸局や近畿整備局を通じて各鉄道事業者に対して、踏切道の改善を勧告したことは、踏切の安全対策にとって大きな意味がある。
踏切事故が減らない状況を一刻でも早く無くすこと、そのために鉄道事業者や行政は積極的に対策に取り組むべきだと思う。
《参考》
「踏切道の安全確保に関する行政評価・監視 結果報告書」
総務省近畿管区行政評価局2013年10月23日
http://www.soumu.go.jp/main_content/000255651.pdf
《参考記事》
「踏切調査の結果発表 近畿行政評価局」大阪日日新聞 2013年10月23日
http://www.nnn.co.jp/dainichi/news/131023/20131023022.html