2005年4月25日に起きた、JR西福知山線脱線事故で、事故の被害者らから、社長らが刑事告訴されていることがわかった。
《記事から》
告訴は幹部ら7人 9月にも書類送検 尼崎JR脱線
乗客ら百七人が死亡した二〇〇五年四月の尼崎JR脱線事故で、兵庫県警尼崎東署捜査本部に刑事告訴されているのは、JR西日本の山崎正夫社長ら幹部や元幹部七人であることが四日、分かった。捜査本部は業務上過失致死傷容疑で被疑者調書作成を始めており、告訴を受けた関係者について刑事訴訟法に基づき九月中にも神戸地検に書類を送る見込みだ。
告訴は、現場付近の新型自動列車停止装置(ATS-P)の設置遅れなどで二種類出されている。東西線開通に伴い現場カーブが一九九六年十二月に半径六百メートルから同三百メートルに付け替えられた際、宝塚線のATS-P設置を見送った点について、当時の鉄道本部長だった山崎社長と池上邦信・元安全対策室長、長谷川進・元運輸部長を告訴。
また、〇三年九月の経営会議で本来なら事故直前までの設置が決まっていたが、運用がずれ込んだとして、徳岡研三・元鉄道本部長と村上恒美・元安全推進部長、橋本光人・元運輸部長、三浦英夫・元運輸部長が告訴されている。こちらの告訴では日勤教育や過密なダイヤなども事故原因に挙げているという。
(8/5 08:50)
http://www.kobe-np.co.jp/news/jiken/0001302627.shtml
ページ
▼
2008年8月6日水曜日
2008年8月3日日曜日
事故の再発防止をもとめた裁判
事故の再発防止を願う遺族が問いかけた裁判、裁判所は、ヘリコプターの墜落事故は、送電線を管理する中部電力とヘリの運航会社に責任があるとして、賠償を命じた。
《参考記事》
ヘリ事故判決 空の安全へ重い警告
8月1日(金)
木曽郡南木曽町で4年前、信越放送の取材ヘリコプターが送電線に接触して墜落し、亡くなった記者の遺族が国などに賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は送電線を管理する中部電力とヘリの運航会社に賠償を命じた。
安全対策を怠ったなどとして訴えられたのは、国、ヘリを運航した中日本航空、中電、信越放送の4者。国と信越放送に対する請求は棄却した。
送電線の管理、取材ヘリの安全運航のあり方やその範囲などをめぐって、国や電力会社、放送局の責任までが問われた異例の裁判である。再発防止に力点を置いた原告の問いは重いものだった。 先月も青森県のテレビ局のヘリが墜落、死者を出した。取材ヘリだけでなく、山岳などで作業をするヘリ事故も後を絶たない。
ヘリをチャーターする側も運航会社も、安全対策を再点検し、二度と悲惨な事故が起きないよう、再発防止に向けた取り組みを強めなくてはならない。
国土交通省の航空・鉄道事故調査委員会がまとめた報告書は、高さが150メートルにもなる送電線に標識がなく、操縦士が気付かなかったことが事故原因の一つとした。裁判のポイントは、その点について国や中電にも責任があるかどうかだった。
中電は、現場の送電線の鉄塔は60メートル以下であり、鉄塔間の谷間で送電線の高さがそれ以上になっても標識は必要ない、との見解を示していた。
これに対し、裁判長は、高さ60メートル以上の送電線に標識の設置を義務付ける航空法を根拠に「標識があれば事故は起きなかった」とし、中電の責任を認めた。
ヘリなどによる送電線への接触事故で電力会社の賠償責任が認められたのは今回の判決が初のケースとみられる。判決は重い警告と受け止めるべきだ。
今後、空の安全については、電力会社も、業界を指導する立場の国も、より責任ある対応が求められることを肝に銘じなくてはならない。
事故後の調査で、全国の送電線のほとんどに標識がなく、中電のように独自の解釈をしていたことも分かった。その後、国の指導で山間部など500カ所以上で標識の設置が進んだのは、事故防止の面では前進となった。
中電は判決を不服として控訴した。遺族も国などの責任が認められなかったために控訴する方針だ。空の安全対策をめぐって裁判は続く。注意深く見守りたい。(信濃毎日新聞)
http://www.shinmai.co.jp/news/20080801/KT080731ETI090004000022.htm
《参考記事》
ヘリ事故判決 空の安全へ重い警告
8月1日(金)
木曽郡南木曽町で4年前、信越放送の取材ヘリコプターが送電線に接触して墜落し、亡くなった記者の遺族が国などに賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は送電線を管理する中部電力とヘリの運航会社に賠償を命じた。
安全対策を怠ったなどとして訴えられたのは、国、ヘリを運航した中日本航空、中電、信越放送の4者。国と信越放送に対する請求は棄却した。
送電線の管理、取材ヘリの安全運航のあり方やその範囲などをめぐって、国や電力会社、放送局の責任までが問われた異例の裁判である。再発防止に力点を置いた原告の問いは重いものだった。 先月も青森県のテレビ局のヘリが墜落、死者を出した。取材ヘリだけでなく、山岳などで作業をするヘリ事故も後を絶たない。
ヘリをチャーターする側も運航会社も、安全対策を再点検し、二度と悲惨な事故が起きないよう、再発防止に向けた取り組みを強めなくてはならない。
国土交通省の航空・鉄道事故調査委員会がまとめた報告書は、高さが150メートルにもなる送電線に標識がなく、操縦士が気付かなかったことが事故原因の一つとした。裁判のポイントは、その点について国や中電にも責任があるかどうかだった。
中電は、現場の送電線の鉄塔は60メートル以下であり、鉄塔間の谷間で送電線の高さがそれ以上になっても標識は必要ない、との見解を示していた。
これに対し、裁判長は、高さ60メートル以上の送電線に標識の設置を義務付ける航空法を根拠に「標識があれば事故は起きなかった」とし、中電の責任を認めた。
ヘリなどによる送電線への接触事故で電力会社の賠償責任が認められたのは今回の判決が初のケースとみられる。判決は重い警告と受け止めるべきだ。
今後、空の安全については、電力会社も、業界を指導する立場の国も、より責任ある対応が求められることを肝に銘じなくてはならない。
事故後の調査で、全国の送電線のほとんどに標識がなく、中電のように独自の解釈をしていたことも分かった。その後、国の指導で山間部など500カ所以上で標識の設置が進んだのは、事故防止の面では前進となった。
中電は判決を不服として控訴した。遺族も国などの責任が認められなかったために控訴する方針だ。空の安全対策をめぐって裁判は続く。注意深く見守りたい。(信濃毎日新聞)
http://www.shinmai.co.jp/news/20080801/KT080731ETI090004000022.htm